「確定給付企業年金(かくていきゅうふきぎょうねんきん)」は、老後の年金制度のひとつで、企業が用意する企業年金の代表的な形です。
公的年金に上乗せして給付される私的年金であり、将来受け取れる年金額があらかじめ決まっているのが最大の特徴です。
以下では、初心者にもわかりやすいように、その仕組みや種類、イメージを解説します。
確定給付企業年金の意味
確定給付企業年金は、「確定給付企業年金法」に基づく制度です。
企業が従業員のために積み立てを行い、従業員が退職後に一定額の年金を受け取れる仕組みになっています。
「確定給付」という名前の通り、将来の給付額(受け取る年金額)が約束されている点がポイントです。
運用成績が悪くても、給付額が減ることは基本的にありません。
公的年金との違い
日本の老後資金は、以下のように「三階建て」と呼ばれる構造で説明されることが多いです。
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1階:国民年金(基礎年金)
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2階:厚生年金
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3階:企業年金や個人年金
確定給付企業年金は、この3階部分にあたります。
公的年金の上乗せを企業が用意し、従業員の老後資金を手厚くする役割を果たします。
確定給付企業年金の2つの種類
確定給付企業年金には、大きく以下の2種類があります。
1️⃣ 規約型企業年金
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企業が従業員と合意のうえ、年金規約を定めます。
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企業はその規約に従って、掛金を外部の運用機関などに拠出。
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運用や給付はその外部機関を通じて行われます。
💡イメージ
「企業と従業員で約束を決めて、企業がそのお金を外に預けて管理してもらう」形です。
2️⃣ 基金型企業年金
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企業年金基金という別法人を設立して運営。
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基金が年金資産を管理・運用し、給付も行います。
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複数企業が共同で基金を作るケースもあります。
💡イメージ
「企業がお金を出し合い、独立した年金基金を作って自前で年金を運営する」形です。
メリットと留意点
✅ メリット
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退職後の年金が安定して受け取れる(給付額が確定)。
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企業によっては公的年金にプラスして手厚い保障。
⚠️ 留意点
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企業の財政負担が大きい場合がある。
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経営状況によって制度設計が変わることも。
具体的なシチュエーション例
例えば、大手製造業のA社では、基金型企業年金を設立しています。
社員は退職後、一定額の企業年金を受け取れるため、老後の生活設計をしやすくなっています。
一方、中小企業では規約型を選ぶケースが多く、外部の運用機関を活用することで管理負担を抑えています。
まとめ
確定給付企業年金は、公的年金を補う大切な仕組みです。
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将来の年金額があらかじめ決まっている安心感
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規約型と基金型という2種類の運用方法
老後資金を考えるうえで、自分の勤務先がどの制度を採用しているかを知るのはとても大切です。
転職時なども福利厚生のひとつとして、確認してみることをおすすめします。
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