保険の目的とは

保険の目的とは?意味や具体例、譲渡のルールをわかりやすく解説

火災保険や自動車保険の契約をするときに出てくる用語のひとつに 「保険の目的(ほけんのもくてき)」 があります。
日常生活ではあまり使わない言葉なので、「対象物のこと?」「人にかける保険とは違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、保険の目的の意味・具体例・注意点 を初心者にもわかりやすく整理しました。

保険の目的とは?

保険の目的とは、保険契約の対象となるもの を指します。
主に「モノに対する保険」で使われる用語で、人にかける生命保険などでは使いません。

具体例

  • 火災保険 → 建物、家財

  • 自動車保険 → 自動車そのもの

  • 動産総合保険 → 機械、商品などの動産

このように、保険契約で「何を守るのか」を明確にするための用語が「保険の目的」です。

「保険の目的」と「保険の対象」の違いは?

似た言葉に「保険の対象」がありますが、意味合いは少し異なります。

  • 保険の目的:保険契約の対象物そのもの(例:建物、自動車)

  • 保険の対象:その物に対して保険で補償する「利益」や「権利」

たとえば、自宅を火災保険に加入する場合、

  • 保険の目的 → 建物そのもの

  • 保険の対象 → 建物に住み続けられる利益(被保険利益)

となります。初心者の方は「モノ自体」か「そのモノに関する利益」か、という違いを意識すると理解しやすいでしょう。

保険の目的を譲渡するとは?

契約中の保険の目的が他人に譲渡されるケースもあります。

具体例

  • 自動車を売却した場合

  • 建物を譲渡した場合

このとき、保険契約上の 権利・義務も一緒に譲渡 されるのが原則です。

譲渡が認められる理由

  • 譲渡人(元の所有者)が支払った保険料が無駄にならないようにするため

  • 譲受人(新しい所有者)が無保険状態にならないようにするため

ただし、譲渡が行われた場合、譲渡人は 被保険利益を失う ことになります。

譲渡時の注意点

保険の目的を譲渡する際には、一般的に 保険会社への申告(通知)が必要 です。
これは保険約款で規定されており、申告を怠ると補償を受けられない場合があります。

例えば、自動車を売却して譲渡したのに保険会社へ連絡しなかった場合、事故が起きても補償対象外になる可能性があります。
そのため、保険の目的に変更や譲渡が生じたときは、必ず保険会社へ届け出ることが重要です。

まとめ

  • 保険の目的とは、保険契約における 対象となるモノ のこと

  • 生命保険のように「人」に対する保険では使われない

  • 譲渡するときは、保険契約上の権利・義務も一緒に移転する

  • 譲渡時には保険会社への申告が必要

保険契約を結ぶ際には、「保険の目的」が何であるかを理解しておくことで、補償内容や権利関係をしっかり把握できます。

さらに参照してください:

保険引受利益とは?損害保険・生命保険における意味や計算方法を解説