「共済(きょうさい)」という言葉、耳にしたことはあっても、保険との違いや仕組みがわからない方も多いはず。
この記事では、共済の基本的なしくみから代表的な種類、メリット・デメリットまでを初心者にも親しみやすく解説します。
✅ 共済とは?──営利目的ではない“助け合いの保障制度”
共済は、営利を追求せず、地域や職場の組合員がお互いに助けあうための保障制度です。一般的な保険会社が「利益を出すこと」を前提に運営するのに対し、共済は組合員同士の相互扶助を理念としています。
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運営主体:協同組合、労働組合、農業協同組合(JA)など
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加入対象:組合員(組合に加入している個人や企業)
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支払い原資:組合員が納める掛金(※保険料ではなく「掛金」)
✅ 共済の代表的な種類と保障内容
共済の名称 | 運営主体 | 主な保障内容 |
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JA共済 | 農業協同組合(JA) | 自動車事故、火災、医療(入院・手術)、死亡保障 |
全労済 | 全国労働者共済生活協同組合連合会 | 生活総合保障(火災・自動車・医療・介護など) |
こくみん共済 | 全国民間文化事業共済会 | 医療、がん、障害、満期返戻など |
県民共済 | 各都道府県の共済生協 | 医療(入院・手術)、火災、自動車など |
🔍 ポイント:
掛金は低めに設定されていることが多く、割安感が高い
組合員の補償ニーズに合わせた多様なプランが用意されている
✅ 保険と共済の違いは?──「利益追求」か「相互扶助」か
項目 | 保険 | 共済 |
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運営目的 | 営利(利益追求) | 相互扶助 |
運営主体 | 保険会社 | 協同組合・労働組合・JAなど |
掛金(保険料) | リスク・コストをもとに算出 | 組合員数や実績をもとに算出(割安になりやすい) |
割戻金・剰余金 | 基本的に契約者へ戻らない | 余剰金が出た場合、掛金の一部が「割戻金」として返還されることがある |
✅ 共済に加入するメリット・デメリット
メリット
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掛金が割安
利益を追求しないため、保険料より安い場合が多い。 -
割戻金の可能性
年度末に運営が黒字の場合、掛金の一部が返還されることも。 -
組合員同士の信頼感
地域や職域ごとに運営されるため、相談窓口が身近。
デメリット
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保障内容が保険ほど幅広くない場合がある
組合員のニーズに特化する反面、細かな特約などは限られることも。 -
組合員でなくなると継続できない
退職や転居で組合員資格を失うと、継続が難しい場合がある。 -
掛金改定リスク
組合員数や支払実績の変動で掛金率が見直される可能性がある。
✅ こんなときに共済がおすすめ!
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掛金を抑えながら、最低限の保障を確保したい
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地元や職域の仲間と一緒に加入し、助け合いの精神を重視したい
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割戻金で将来コストを抑えたい
✅ 共済加入の流れ【かんたん4ステップ】
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運営主体(JA、県民共済、生協など)に資料請求
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パンフレットや約款で保障内容・掛金を確認
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加入申込書に必要事項を記入し、掛金の口座振替手続き
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加入完了後、共済証書が届き保障スタート
まとめ|共済は「割安&助け合い」の保障制度
共済は、地域や職場の仲間同士で支え合う相互扶助の仕組みとして、多くの方に利用されています。掛金が割安で、割戻金の可能性もある一方、保障内容や継続条件には保険との違いがあります。自分のライフスタイルやニーズに合わせて、保険と共済をうまく使い分けることが賢い選択です。
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