双務契約(そうむけいやく) とは、契約の当事者双方がお互いに義務を負う契約形態のことです。
もう少し噛み砕くと、**「お金を払う代わりに、相手がサービスや物を提供する」**というように、義務と義務が対価関係にある契約を指します。
双務契約の基本的な仕組み
双務契約では、次の2つがセットになっています。
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AがBに義務を負う
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BもAに義務を負う
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両者の義務は対価の関係にある
例えば売買契約の場合、
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買主は代金を支払う義務
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売主は商品を引き渡す義務
これらはお互いの義務が対価になっているため、双務契約です。
保険契約はなぜ双務契約なのか?
保険契約も双務契約に該当します。理由は以下の通りです。
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契約者は保険料を支払う義務を負う
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**保険者(保険会社)**は、保険事故が起きたときに保険金を支払う義務を負う
→ この2つは対価関係にあるため、双務契約となります。
双務契約の特徴と注意点
双務契約には、**「同時履行の抗弁権」**という法律上のルールがあります。
これは、相手が義務を果たすまで、自分の義務の履行を拒むことができる権利です。
例えば保険契約では、契約者が保険料を払わない場合、保険会社は契約を解除したり保険金を支払わないことがあります。
これは双務契約の性質からくるものです。
双務契約の具体例
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売買契約(代金支払い ⇔ 商品引き渡し)
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賃貸借契約(家賃支払い ⇔ 部屋の使用を認める)
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保険契約(保険料支払い ⇔ 保険金給付)
まとめ
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双務契約は、当事者双方が義務を負い、その義務が対価関係にある契約
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保険契約も、保険料支払いと保険金給付の義務が対価関係にあるため双務契約
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双務契約には「同時履行の抗弁権」など特有のルールがある
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