国民皆保険とは

国民皆保険とは?すべての人に医療の安心を届ける日本のしくみ

「病気やケガをしても、安心して病院に行ける」
そんな当たり前のような日常を支えているのが、国民皆保険(こくみんかいほけん)制度です。

この記事では、国民皆保険の意味やしくみ、背景にある考え方を、わかりやすく解説します。
「保険って難しそう…」と思っている方にも、やさしく理解できる内容になっています。

✅ 国民皆保険とは?

**国民皆保険(こくみんかいほけん)**とは、すべての国民が公的医療保険に加入することを義務づけた制度のことです。

この制度の最大の目的は、誰でも、いつでも、どこでも、安心して医療を受けられる環境をつくること
たとえ高額な治療が必要になったとしても、医療費の多くを公的保険がカバーしてくれるので、患者の経済的負担は大幅に軽減されます。

🏥 どんな人が対象なの?

答えは簡単。日本に住んでいるすべての人が対象です。
国籍にかかわらず、日本に住所がある人は原則として必ず何らかの公的医療保険に加入しています。

たとえば:

  • 会社員:**健康保険(被用者保険)**に加入

  • 自営業・フリーランス:国民健康保険に加入

  • 75歳以上の方:後期高齢者医療制度に加入

つまり、日本に住む全員が、**いずれかの公的医療保険に加入している状態=「皆保険」**なのです。

🤝 相互扶助(そうごふじょ)のしくみとは?

国民皆保険は、「相互扶助の精神」に基づいて成り立っています。

これはつまり、

「元気なときは保険料を出し合い、病気になった人をみんなで支える」
という考え方。

病気やケガは、誰にでも起こり得ます。
だからこそ、国民全体で支え合う仕組みが必要なのです。

💡 実際どれくらい助かるの?医療費の自己負担例

日本の公的医療保険制度では、原則3割負担(年齢や所得によって1割や2割の場合も)です。

たとえば:

治療内容 実際の費用 自己負担(3割の場合)
風邪で受診・薬処方 約5,000円 約1,500円
骨折で手術・入院(5日間) 約50万円 約15万円

しかも、高額な医療費がかかった場合でも、高額療養費制度により、自己負担額には上限が設けられています。

📝 国民皆保険がなかったらどうなる?

国民皆保険がない場合、医療費は全額自己負担
100万円の治療費がかかったら、100万円払わなければなりません。

実際、国民皆保険がない国では、治療を受けるのに多額の費用がかかるため、経済的な理由で病院に行くのをあきらめる人が多いという現実があります。

日本の国民皆保険制度は、“医療を受ける権利”をすべての人に保障する大切な制度なのです。

📌 よくある誤解:「保険料を払っていないから関係ない」は間違い

「保険料を払っていないから、保険には入っていない」
こう思っている人もいますが、これは誤解です。

公的医療保険への加入は法律で義務化されています。
もし未加入や未納があると、さかのぼって保険料を請求されることもあります。

✅ まとめ:国民皆保険は、みんなの健康を支える社会の土台

日本の国民皆保険制度は、世界的にも高く評価されている制度です。
いつでもどこでも、だれでも医療が受けられるという安心感は、すべての国民の生活の基盤になっています。

もちろん、制度を維持するためには保険料の負担も必要ですが、「おたがいさま」の気持ちで支え合う仕組みがあるからこそ、私たちは安心して暮らすことができるのです。

さらに参照してください:

国民健康保険とは?自営業・フリーランス・パートの人が知っておくべき医療保険の基礎