老後の生活設計を考えるうえで、もっとも気になるのが「自分はいくら年金を受け取れるのか」という点です。
この記事では、年金額の基本的な考え方・決まり方・平均年金額・将来に備えるためのポイントをわかりやすく解説します。
年金額とは?
年金額(ねんきんがく)とは、実際に支給される年金の金額のことをいいます。
老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金にもそれぞれ年金額が定められています。
年金額は「一律で決まっているもの」ではなく、加入状況や納付実績に応じて個人ごとに異なるのが特徴です。
年金額の決まり方
年金額は、主に次の要素によって決まります。
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保険料の納付期間
何年分の保険料を納めたか。満額を受け取るには原則40年間の納付が必要です。 -
収入(標準報酬月額)
厚生年金の場合、収入に応じて保険料が決まるため、収入が高いほど将来の年金額も多くなります。 -
加入実績の種類
国民年金のみか、厚生年金に加入していたか、などによっても差が出ます。 -
物価・賃金の変動
年金額は「物価スライド制」により、物価や賃金の動向にあわせて毎年改定されます。
平均的な年金額(目安)
年金額は人によって異なりますが、厚生労働省が公表しているデータを参考にすると、おおよその水準がわかります。
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国民年金(老齢基礎年金)
満額:約 月額6万6,000円(年額約79万円) -
厚生年金(夫婦2人世帯の平均)
平均:約 月額22万円(年額約264万円)
👉 ただし、これはあくまで平均的な数値であり、実際の受給額は「納付期間」「収入水準」「働き方」によって変わります。
年金額を確認する方法
「自分の年金額を知りたい」という方は、次の方法で確認できます。
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ねんきん定期便
毎年誕生月に送られてくる通知で、自分のこれまでの納付実績と将来の見込み額を確認できます。 -
ねんきんネット
日本年金機構が運営するオンラインサービス。ログインすればいつでも将来の年金見込み額をシミュレーション可能。
年金額を増やすための工夫
老後の生活を安心させるためには、年金額を増やす工夫も大切です。
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国民年金の任意加入(60歳以降も継続)
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付加年金(国民年金に上乗せできる制度)
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厚生年金に長く加入する(定年延長や再雇用を活用)
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私的年金(iDeCo・個人年金保険など)で補う
具体的なイメージ例
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自営業のAさん(65歳)
国民年金を40年満額納め、月額約6万6,000円を受給。老後資金の不足分は個人年金保険で補填。 -
会社員のBさん(65歳)
厚生年金に40年加入し、月額約20万円を受給。妻の基礎年金とあわせて世帯で月額約26万円を確保。
まとめ
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年金額とは、支給される年金の金額のこと
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個人の「納付期間」「収入」「加入実績」に応じて金額は変わる
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国民年金は満額で月額約6万6,000円、厚生年金は夫婦で平均月額22万円程度
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自分の年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できる
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老後の安心のために、年金額を増やす工夫や私的年金の活用が重要
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