強制保険とは

強制保険(きょうせいほけん)とは?|自賠責保険などの代表例もわかりやすく解説

「強制保険って、入らないといけないの?」「自賠責って強制保険なの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

保険には、任意で加入する保険と、**法律で加入が義務付けられている保険(=強制保険)**があります。
この記事では、強制保険の意味や対象となる代表例、未加入のリスクまで、やさしく解説します。

✅ 強制保険とは?簡単に言うと…

**強制保険(きょうせいほけん)**とは、法律で加入が義務付けられている保険のことをいいます。

つまり、「入りたくないから入らない」という選択はできません。対象者になった時点で、自動的に加入が求められます。

🔍 例:自動車に乗る人が必ず加入しなければならない「自賠責保険」が代表的な強制保険です。

✅ 強制保険の代表例:自賠責保険(じばいせきほけん)

強制保険のなかで、もっとも身近なのが**自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)**です。

🚗 自賠責保険とは?

自賠責保険は、すべての自動車やバイクの所有者に加入が義務づけられている保険で、事故の被害者に対して最低限の補償を行うための制度です。

  • 被害者への治療費や慰謝料などが補償対象

  • 対人事故のみが対象(物損事故は対象外)

  • 任意保険に加入していても、自賠責は別途必要

❗ 加入していないとどうなる?

  • 法律違反で罰則あり(1年以下の懲役または50万円以下の罰金など)

  • 車検が通らない

  • 事故時にすべて自己負担になるリスクも

 

✅ 他にもある!強制保険の例

保険の種類 強制される対象者 内容
自賠責保険 自動車・バイク所有者 事故の被害者に最低限の補償を行う保険
労災保険(労働者災害補償保険) すべての雇用主(労働者がいる場合) 労働者が業務中・通勤中に負ったけがや病気を補償
健康保険・国民健康保険 日本国内に住むすべての人 医療費の自己負担を軽減する公的医療保険制度
雇用保険 一定の労働条件を満たす労働者と事業主 失業したときの給付や育児・介護休業給付など

※ 一部の公的保険制度も、広い意味では「強制保険」に含まれるとされます。

✅ 任意保険との違い

比較項目 強制保険 任意保険
加入の義務 法律で義務付けられている 自分の判断で加入するか選べる
主な目的 被害者や第三者の最低限の救済 加入者自身や車の損害補償、上乗せ保障など
自賠責保険、労災保険、健康保険など 自動車任意保険、火災保険、医療保険など

✅ 事例で理解:自賠責保険に未加入だった場合

Aさんは、自家用車で通勤していたが、うっかり自賠責保険の更新を忘れていた。
ある日、交差点で歩行者と接触しケガを負わせてしまった…。

このような場合、自賠責に加入していれば保険から補償されるはずの治療費などを、全額自己負担しなければならなくなります。
さらに、道路交通法違反で罰則も受ける可能性があります。

✅ まとめ:強制保険は“義務”であり“安心”の土台

強制保険は、私たちが社会で安心して生活するための最低限のセーフティネットとして存在しています。
「強制されるのは面倒」と思う方もいるかもしれませんが、いざという時に自分や他人を守るための大切な制度です。

特に自動車を所有している方や、従業員を雇う事業主の方は、必要な保険に漏れなく加入しているかを定期的に確認しましょう。

さらに参照してください:

共同不法行為(きょうどうふほうこうい)とは?|意味や加害者の責任、具体例をわかりやすく解説