企業経営において、一定期間の利益や損失を正確に把握することは非常に重要です。利益を知ることで、経営判断や資金計画に役立てることができます。利益の計算方法には「損益法」と「財産法」の2種類がありますが、実務では一般的に損益法がよく使われています。
この記事では、損益法を中心に、財産法との違いや計算方法、メリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説します。
損益法とは?簡単に理解する
損益法とは、一定期間に得られた収益から費用を差し引き、その期間の利益(損失)を計算する方法です。会計学では「収益費用アプローチ」と呼ばれ、期間的な概念を重視する点が特徴です。
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期間中に発生した収益や費用を基に計算
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経営活動による損益を正確に反映
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会計年度ごとに収益と費用を二重計上しないよう注意が必要
例えば、前年度に支払った費用で当年度にまだ計上していないものがある場合は、次年度に引き継いで計算します。こうすることで、その期間の正しい経営成績が見えるようになります。
損益法の計算式
損益法の計算は非常にシンプルです。
具体例
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収益:200万円
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費用:150万円
この場合の損益は、
となり、当期の利益は50万円と計算できます。
財産法とは?損益法との違い
財産法は、期首の純資産額と期末の純資産額の差額を計算して、期間損益を把握する方法です。会計学では「資産負債アプローチ」と呼ばれ、資産や負債の増減から利益を求めます。
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損益法は「収益 − 費用」で利益を計算
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財産法は「期末純資産 − 期首純資産」で利益を計算
財産法の計算式
具体例
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期首純資産:500万円
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期末純資産:600万円
この場合、損益は
となります。
損益法と財産法のメリット・デメリット
損益法のメリット
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収益と費用を直接把握できる
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純資産の増減理由を明確にできる
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会計期間ごとの経営成績が正確にわかる
損益法のデメリット
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キャッシュの動きと認識時期が異なることがある
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期末の純資産額が把握できない場合がある
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財産法より計算がやや複雑
財産法のメリット
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期首と期末の純資産を比較するだけで計算可能
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初心者でも理解しやすい
財産法のデメリット
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配当など損益と関係ない取引を除外する必要がある
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純資産増減の原因(収益・費用)がわかりにくい
まとめ:損益法と財産法の理解が経理の基礎
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損益法:収益と費用から利益を計算
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財産法:純資産の増減から利益を計算
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両者は補完関係にあり、どちらも会計学の基礎
損益法を理解することで、日々の経理業務や決算書作成に役立ちます。また、財産法も合わせて知っておくと、純資産の変動や企業の財務状況をより正確に把握できるようになります。
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