有価証券利息とは

有価証券利息とは?意味・仕訳・受取利息との違いをわかりやすく解説

投資や企業会計においてよく登場する「有価証券利息」。
似た言葉に「受取利息」や「受取配当金」があるため、どの勘定科目を使うべきか迷う方も多い項目です。

この記事では、有価証券利息の意味・対象となる有価証券の種類・仕訳例・受取利息との違いを、会計の初心者でも理解できるように丁寧に解説します。

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有価証券利息とは?わかりやすく解説

有価証券利息とは、国債・地方債・社債などの “債券” を保有している間に受け取る利息のことです。
企業が保有する有価証券のうち、「利息が発生するもの」に対して使われる勘定科目です。

対象となる主な有価証券

  • 国債

  • 地方債

  • 社債(企業が発行する債券)

  • その他の利付債券

これらは“債権(さいけん)”に分類され、保有期間に応じて利息を受け取ることができます。

「有価証券利息」と「受取利息」の違い

会計処理では、似ているようで区別が必要です。

項目 発生源 使う勘定科目
有価証券利息 債券(国債・社債など) 有価証券利息
受取利息 預金利息・貸付金利息など 受取利息
受取配当金 株式の配当金 受取配当金

よくある混同ポイント

  • 株式を保有して得られる配当金 → 受取配当金

  • 国債や社債などの利息 → 有価証券利息

  • 銀行預金の利息 → 受取利息

勘定科目の使い分けは、決算や税務の正確性に直結するため、必ず区別して処理しましょう。

有価証券利息の仕訳(例)

例1:社債の利息 10,000円を受け取った

(借方)現金   10,000 / 有価証券利息 10,000(貸方)

例2:利息の受取日が決算日をまたぐ場合(未収利息を計上)

(借方)未収収益 10,000 / 有価証券利息 10,000(貸方)

未収利息の計上は、決算整理仕訳としてよく出題されるポイントです。

どんなときに「有価証券利息」を使う?

①売買目的有価証券を持っている場合

売却差益だけでなく、保有期間中に発生した利息を計上する必要があります。

②国債を一時的に保有している場合

短期間でも利息が発生するため、有価証券利息として認識します。

③企業の余剰資金運用のケース

運用目的で社債・国債を保有している企業は多く、決算期に利息計上が必要です。

初心者が迷いやすい点(実務アドバイス)

  • 株式の配当金は 有価証券利息ではない

  • 預金利息も 有価証券利息ではない

  • 有価証券利息は 債券に限定される

  • 売買目的有価証券でも、利息は必ず計上が必要

  • 決算跨ぎの未収利息の処理を忘れない

特に、株式と社債の処理を混同するミスが多いため注意しましょう。

まとめ:有価証券利息は「債券の利息」。受取利息・配当と区別することが重要

この記事で解説したポイントを整理します。

  • 有価証券利息とは、債券を保有することで受け取る利息

  • 株式は対象外。配当金は 受取配当金 を使用

  • 預金や貸付金の利息は 受取利息

  • 勘定科目の使い分けは決算の正確性に必須

  • 仕訳例では「未収利息」の扱いがよく出る

有価証券利息は、簿記・会計実務の中でも頻出かつ誤りやすい論点です。
正しい分類と仕訳を理解しておくことで、日々の経理処理や決算業務がスムーズになります。

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