未収収益とは

未収収益とは?未収入金や売掛金との違いと仕訳方法をわかりやすく解説

企業の経理業務では、「未収収益」という言葉を耳にすることがあります。

しかし、未収収益と似た勘定科目である「未収入金」や「売掛金」との違いを正確に理解している方は意外に少ないです。

この記事では、未収収益の意味や使い方、仕訳方法まで初心者にもわかりやすく解説します。

未収収益とは?

未収収益とは、一定の契約に基づき継続的に役務を提供している場合に、すでに提供したサービスの対価をまだ受け取っていないときに計上する資産の勘定科目です。英語では Accrued income と呼ばれます。

ポイントは次の2つです。

  1. 契約に従って継続的に役務を提供していること

  2. 時間の経過に伴い発生した収益であること

具体例としては、未収利息未収家賃などが典型的です。

未収収益は経過勘定の資産勘定

未収収益は、経過勘定の一つとして資産の部に計上されます。つまり、実際の入金がまだでも、提供した役務に対応する収益を当期の損益計算に反映させるために使用されます。

注意点として、未収収益は本来の営業活動に関わる取引のみで使用し、営業外の取引は「未収入金」勘定で処理します。

未収収益と未収入金の違い

  • 未収収益:継続的な営業取引で、時間の経過により収益が発生しているが、支払いはまだのもの

  • 未収入金:営業活動以外の取引で、期日は到来しているがまだ入金がない金銭債権

例:固定資産の売却代金や不動産の貸付金は未収入金で処理します。

未収収益と売掛金の違い

  • 売掛金:販売代金などの売上に関する債権で、期日は到来しているがまだ入金されていないもの

  • 未収収益:経過勘定であり、継続的な取引から発生する収益の見越し計上

簡単に言うと、継続取引で期日未到来 → 未収収益、単発取引で期日到来 → 売掛金 です。

未収収益の仕訳方法

未収収益は、発生主義・費用収益対応の原則に基づき、役務提供期間に応じて計上します。決算時には支払いの有無に関係なく、当期発生分を計上します。

例:家賃の後払い

  • 12月に後払いで年間家賃60万円を受け取る

  • 決算期は3月で、1月~3月分の家賃15万円を計上する場合

決算日の仕訳

借方 貸方 金額
未収収益 受取家賃 150,000円

翌期首の振戻し仕訳

借方 貸方 金額
受取家賃 未収収益 150,000円

12月の家賃受取時

借方 貸方 金額
普通預金 受取家賃 600,000円

まとめ:未収収益を正しく理解する

  • 未収収益は、継続的な営業取引で時間の経過に伴い発生する収益

  • 未収入金や売掛金と混同しないように注意

  • 決算時には、実際の入金に関わらず当期の収益として計上する

未収収益の理解は、正しい損益計算と資産管理に直結します。特に決算期や複数年契約の管理では、未収収益の正確な処理が経営判断にも影響します。

さらに参照してください:

満期保有債券とは?仕訳例と会計処理をわかりやすく解説

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