製品を作る際にかかる材料費は、個人事業主やフリーランスが確定申告で必要経費として計上できる重要な項目です。しかし、材料費の種類や仕訳方法、勘定科目の選び方など、初心者には少し複雑に感じられることもあります。
この記事では、材料費の基本から、仕訳や勘定科目の扱い方、青色申告での確定申告のポイントまで、わかりやすく解説します。
材料費とは何か?
会計上の材料費とは、製品を製造するために消費した物品の原価を指します。
製造原価は、材料費・労務費・経費で構成されますが、材料費はその中でも直接的に製品に使われる部分の原価です。
材料費は大きく分けて次の2種類があります。
1. 直接材料費
製品ごとに個別に計算できる材料の原価です。具体例は以下の通りです。
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主要材料費:製品の主要部分に使う生地や金属など
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買入部品費:外部から購入し、製品に組み込む部品(衣料品ならボタンやファスナーなど)
2. 間接材料費
製品の製造に間接的に必要な物品の原価です。
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補助材料費:接着剤や塗料など補助的に使用する物品
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工場消耗品費:製造機械に使う油や潤滑剤など
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消耗工具器具備品費:固定資産としない工具や備品(ハンマー、ドライバー、作業台など)
個人事業主が材料費を経費にする場合
個人事業主は、材料を購入した場合に必要経費として確定申告に計上できます。白色申告では収支内訳書、青色申告では青色申告決算書に金額を記載します。
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原価計算を行わない場合は、仕入高として処理するのが一般的です
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材料費以外の事業経費も必要経費として計上可能です
材料費の仕訳例
材料費は、購入・消費・返品の各タイミングで仕訳が必要です。
1. 材料購入
材料10万円を買掛金で購入した場合:
2. 材料返品
購入した材料のうち2万円分を返品した場合:
3. 製造による材料消費
材料5万円を使用(直接材料4万円・間接材料1万円)した場合:
4. 棚卸の仕訳
期首の原材料20,000円、期末の原材料30,000円の場合:
借方:原材料 30,000円
貸方:期末原材料棚卸高 30,000円
材料費は青色申告での申告がおすすめ
青色申告では、青色申告決算書の製造原価計算欄を使って材料費を整理できます。購入時に仕入高として計上し、期末で棚卸を行うことで、正確な製造原価を算出できます。
これにより、材料費の経費計上や税務処理がスムーズになり、確定申告の効率も向上します。
まとめ
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材料費は製品を作るために消費した原価で、直接材料費と間接材料費に分かれる
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個人事業主は材料費を必要経費として確定申告に計上可能
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購入・消費・返品のタイミングで仕訳を行い、棚卸を忘れないことが大切
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青色申告を利用すると、材料費の整理や製造原価計算が簡単になり、申告効率が向上
材料費の仕訳や経費計上の方法を理解することで、正確な確定申告と経営判断に役立てることができます。まずは、仕入れや棚卸の流れを確認し、日々の会計処理に活用してみましょう。
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