約定日とは

約定日とは何か?申込日・受渡日との違いをわかりやすく解説

金融商品を扱うときによく登場する「約定日」「申込日」「受渡日」。
聞いたことはあっても、実際には何がどう違うのか、曖昧なままになっている方も少なくありません。

特に株式や投資信託の取引では、約定日を正しく理解していないと、思わぬタイミングで決済されるなど、トラブルにつながる可能性があります。

この記事では、会計実務にも深く関わる「約定日」の考え方を中心に、申込日・受渡日との違いを初心者にもわかりやすく整理して解説します。

約定日とは?最も重要な「取引成立日」

約定日とは、金融商品の売買が成立した日のことです。
株式・債券・投資信託など、ほぼすべての金融商品で使われる基本用語です。

株式市場での売買は、売り手と買い手の条件が一致した瞬間に成立します。この取引成立日が約定日です。

ポイント
・約定日=売買が成立した日
・株式、投資信託など金融商品全般で使用
・決済(受渡日)の起点となる重要な日付

つまり、約定日に買い注文が成立すれば、翌営業日から決済に向けた処理が動きます。

約定日・申込日・受渡日の違い

混同されやすい三つの日付。それぞれの意味をしっかり区別しておきましょう。

申込日とは

投資信託で使われる概念で、購入・解約の注文を出した日のことです。
株式取引には申込日の概念はありません。

投資信託では
・国内資産:申込日=約定日になることが多い
・海外資産:申込日の翌営業日以降に約定することが一般的

投資対象国の時差が影響するためです。

受渡日とは

約定した金融商品の決済が実際に行われる日です。

株式の場合
・約定日の2営業日後(T+2)が受渡日
・買った株を保有できるのは受渡日
・売った株の代金が入るのも受渡日

たとえば、月曜日に約定すれば、水曜日が受渡日になります。

また、株主優待や配当を受け取るためには「権利確定日」に株主名簿に記載される必要があります。
そのためには、権利確定日の2営業日前に約定しておく必要があるため、実質的には「権利確定日の3日前」が購入のリミットとなります。

投資信託における申込日・約定日の具体例

投資信託では、申込時間と締切時間が重要です。
以下は、よくあるパターンを簡潔にまとめた例です。

パターン1:国内投資信託

・2日の締切時刻前に申込
→ 申込日=約定日(2日)
→ 受渡日は約定日から2〜5営業日後

パターン2:外国投資信託

・9日の締切時刻後に申込
→ 申込日は10日
→ 約定日は申込日の翌営業日以降
→ 受渡日は各ファンドにより異なる

投資信託はファンドごとに取扱いが異なるため、売買前に交付目論見書を確認することが重要です。

株式市場で取引が成立する仕組み

株式市場の売買成立方法は、主に2つの方式に分類されます。

ザラバ方式(Continuous session)

・多くの売り手と買い手が参加し、注文のたびに価格が決まる
・リアルタイムで取引成立
・前場と後場の間で行われる通常取引を指す

需要と供給に応じて、その都度価格が決まるため「オークション方式」とも呼ばれます。

板寄せ方式

・前場の開始(9:00)、終了(11:00)、後場の開始(12:30)、終了(15:00)など
・一定時間集めた注文をまとめて一度に約定
・寄り付きや引け時に使われる方式

このように、株式の約定は市場の仕組みにより決定されるため、約定日=投資家が希望する日とは限りません。

約定日の理解が重要な理由

約定日を正しく理解できていないと、以下のような誤解が起こる可能性があります。

・株主優待の権利取りで間違った日に注文してしまう
・投資信託の基準価額が思った日とずれてしまう
・資金繰りの計画と実際の受渡日がずれる

会計処理の観点でも、約定日と受渡日が異なることで計上タイミングがずれるケースがあるため、正確な把握は必須です。

まとめ:取引に関わる日付を正しく理解しよう

・約定日=取引成立日
・受渡日=実際に決済される日
・申込日=投資信託の注文日であり、株式にはない概念

株式・投資信託などの金融商品を扱ううえで、この三つを正しく整理しておくことで、売買のタイミングや会計処理の齟齬を防ぐことができます。

今後、金融商品を運用する際や、経理処理を行う際にもぜひ役立ててください。

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