自損事故保険とは

自損事故保険とは?補償内容・対象・注意点までやさしく解説

「ガードレールにぶつけてしまった」「電柱に単独で衝突した」――このように、**相手がいない事故(=自損事故)**でも、けがや死亡といった重大な結果を招くことがあります。

そんなときに最低限の補償をしてくれるのが、**「自損事故保険(じそんじこほけん)」**です。

この記事では、自損事故保険の基本から補償範囲、注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

✅ 自損事故保険とは?

自損事故保険とは、以下のようなケースにおいて、運転者や同乗者が死亡・後遺障害・けがなどを負った場合に最低限の補償を行う保険です。

▼ 対象となる事故例

  • 電柱や壁への単独衝突

  • ハンドル操作ミスによる横転

  • 相手に100%の過失がある事故(例:無理な飛び出し)

自損事故は原則、自賠責保険の対象外です。そのため、自分自身や同乗者のけがなどをカバーする補償として、自損事故保険が役立ちます。

💡 自動的に付帯される保険

自損事故保険は、対人賠償保険を契約すると自動的にセットで付いてくる特約です。特別に申込みをする必要はありません。

ただし、加入している自動車保険のプランによっては、「人身傷害補償保険」など他の補償で自損事故もカバーできるケースがあり、重複加入に注意が必要です。

🛡️ 補償内容:どこまでカバーされるの?

自損事故保険で受け取れる保険金は、定額型が基本です。

補償内容 支払額の目安(保険会社によって異なる)
死亡 1,500万円程度
後遺障害(等級に応じて) 数十万~最大2,000万円
傷害(入院・通院) 数万円~数十万円

📌 ただし、あくまで「最低限の補償」であるため、実際の治療費や損害すべてをカバーできるわけではありません

🧾 自賠責保険との違い

比較項目 自損事故保険 自賠責保険
補償対象 自分・同乗者 他人(相手のけが)
対象事故 自損事故や過失0の事故 対人事故のみ
加入 任意保険の特約 強制加入(法律)
保険金額 定額で少なめ 上限ありだが実費に近い

⚠ 保険金が支払われないケース

以下のような重大な違反行為があった場合、自損事故保険では補償されません。

  • 故意の事故

  • 無免許運転

  • 酒気帯び・酒酔い運転

  • 麻薬や覚せい剤使用時の事故

このような場合には、たとえ加入していても保険金は一切支払われませんので、日頃から安全運転・適正運転が何よりも大切です。

🧠 補足:人身傷害補償保険との違いは?

最近の自動車保険では、「人身傷害補償保険」の方が主流になりつつあります。こちらは実際にかかった治療費や損害を実費で補償する仕組みで、補償内容がより充実しています。

▼ どちらを選ぶべき?

  • 自損事故保険:最低限の補償で割安。旧型の契約などで利用

  • 人身傷害補償保険:補償が広く安心だが保険料はやや高め

 

✅ まとめ:自損事故保険は「最低限の安心」を支える補償

自損事故保険は、自分自身や同乗者のための備えとして、対人賠償保険に付帯する形で加入できます。

  • 「相手のいない事故」でも補償される

  • 自賠責保険ではカバーされない場面に対応

  • 人身傷害補償保険と併用・見直しも検討すべき

安全運転を心がけながら、もしもの事故に備えて、自分に合った補償を選ぶことが大切です。

さらに参照してください:

示談とは?意味・流れ・注意点をわかりやすく解説|保険・交通事故に関わる基礎知識