解約控除率とは

解約控除率(かいやくこうじょりつ)とは?仕組みと計算イメージをやさしく解説

生命保険を途中で解約したとき、「思ったより返戻金が少なかった…」という声をよく聞きます。
その大きな理由のひとつが 「解約控除率」 です。

この記事では、初心者の方にもわかりやすいように、解約控除率の意味や計算方法、関連する「早期解約控除率」についてもやさしく解説します。

✅ 解約控除率とは?

解約控除率(かいやくこうじょりつ) とは、生命保険を契約時に定めた一定期間(据置期間など)の間に解約した場合に、解約返戻金から差し引く「解約控除金」を計算するための割合(率)のことです。

▶️ もっと簡単に言うと

「短期で解約するときに、どれくらい手数料を取るかを決めるパーセンテージ」

保険会社は長期間契約を前提にして保険料を設計しています。
短期間で解約されると、販売や事務コストを回収できなくなるため、この負担を公平に調整する目的で「解約控除」が設定されています。

✅ 解約控除率の仕組み

解約控除は「率(パーセンテージ)」で計算されます。

計算イメージ

解約控除金 = 解約控除対象額 × 解約控除率

解約返戻金の計算式

解約返戻金 = 責任準備金 - 解約控除金

✅ 【具体例イメージ】

たとえば…

  • 責任準備金:100万円

  • 解約控除対象額:90万円

  • 解約控除率:10%

➡️ 解約控除金 = 90万円 × 10% = 9万円
➡️ 解約返戻金 = 100万円 − 9万円 = 91万円

つまり、短期解約だとこの控除率が高めに設定されていて、返戻金が大きく目減りします。

✅ 解約控除率はずっと同じ?

✅ いいえ、一般的には「年数が経つほど減る」ように設計されています。

  • 据置期間(最初の数年)では高め

  • 以後、年数経過で控除率が下がる

  • 10年以上払い込むと解約控除がゼロになる商品設計も多い

これにより、長期継続を促す仕組みになっています。

✅ 解約控除率が設定される理由

✅ 保険は長期の保障を前提にした金融商品
✅ 初期コスト(販売員手数料、設計・事務費用など)が大きい
✅ 短期解約だと保険会社が赤字

このため、短期間での解約には控除率をかけ、一定の「手数料」を徴収することで全契約者の公平を保っています。

✅ 関連用語:「早期解約控除率」とは?

早期解約控除率は通常の解約控除率とは別物です。

  • 生命保険会社が破綻した場合、契約が別の会社に移管されることがある

  • その承継会社で一定期間内に解約すると「早期解約控除率」が適用される

  • もとの契約の解約控除よりも、解約返戻金がさらに少なくなる場合がある

✅ 保険契約者保護の仕組みの一環で、保険会社の破綻時リスクを分散・調整するために設けられています。

✅ 解約を考えるときのポイント

✅ 解約控除率は「いつ解約するか」で変わる
✅ 早期解約だと控除率が高い=返戻金が少なくなる
✅ 契約書や設計書で控除率の推移を確認
✅ 減額払済、部分解約など解約以外の選択肢も検討する

✅ まとめ

解約控除率とは:短期解約時に解約控除金を計算するための率
計算式:解約控除金 = 解約控除対象額 × 解約控除率
早期解約控除率とは:保険会社破綻後、移管先で一定期間内に解約する場合に適用される特別な控除率

保険を解約する前に、控除率の仕組みをしっかり理解して、計画的に判断することが大切です。

さらに参照してください:

解約返還金(解約返戻金)とは?仕組みと注意点をやさしく解説