越境ECとは、自国以外の消費者にネット通販(EC)を通じて商品やサービスを販売することです。
世界市場へ販路を広げる手段として注目され、多くの企業が参入しています。
この記事では、越境ECの基礎と、成功に欠かせない「越境EC向け決済手段」についてわかりやすく解説します。
越境ECとは?基本の意味をやさしく解説
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読み方:えっきょういーしー
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英語:Cross-border EC(Cross-border e-commerce)
越境ECとは、
国内の事業者がオンラインショップを通じて海外の消費者に商品やサービスを販売することです。
海外ユーザーが日本の商品を購入するケースが増え、越境ECは年々市場規模を拡大しています。
特に人気が高いジャンルは:
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コスメ・スキンケア
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健康食品・サプリ
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お菓子・食品
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ファッション
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アニメ・ホビー系グッズ
日本品質は世界的に評価が高く、「日本商品を買いたい海外ユーザー」が多数存在します。
なぜ越境ECが注目されるのか?企業側のメリット
① 市場規模が圧倒的に大きい
国内だけでなく、アジアや欧米など世界中の消費者がターゲットになるため、売上拡大に直結します。
② インバウンド需要の代替ができる
旅行が制限される状況でも、
「海外に住んでいる日本ファン」がECサイトから購入できるため安定した販売が可能です。
③ 商品単価が高く売れることも
日本商品は“品質の高さ”が評価されており、
海外では国内より高価格でも売れるケースがあります。
④ 小規模事業者でも参入しやすい
モール型の越境ECプラットフォーム(Shopee、Tmall Global など)を使えば、
小規模ブランドでも気軽に海外販売を始められます。
越境ECで必須となる「決済手段」について理解しよう
越境ECを始めるうえで最も重要なポイントのひとつが 「海外ユーザーが使える決済手段」 に対応しているかどうかです。
各国は利用される決済が大きく異なり、
「決済手段が合わない」= 購入されない最大の原因 になります。
越境ECでよく利用される主要な決済手段(国別)
【中国向け】
中国市場は越境ECの最大ターゲットのひとつ。
中国消費者がよく使う決済方法はこちら:
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銀聯(UnionPay)
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中国最大のカードネットワーク
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Alipay(アリペイ)
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アリババグループによる中国最大級のオンライン決済
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WeChat Pay(微信支付)
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「SNS+決済」の日常プラットフォーム
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中国向け販売を成功させるには、銀聯・Alipay・WeChat Payのいずれかを導入することが必須級です。
【欧米・アジア向け】
世界中で利用される代表的な決済手段は次のとおりです。
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PayPal(ペイパル)
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世界200以上の国と地域で利用される国際決済サービス
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多通貨クレジットカード決済(Visa/Mastercard/Amexなど)
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為替自動変換でスムーズに支払い可能
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Apple Pay / Google Pay
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スマホユーザーの購入率アップに有効
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デビットカード決済
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特に欧州で利用率が高い
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越境ECでは、
「PayPal+クレジットカード決済」をセットで導入するケースが非常に多いです。
越境ECで決済を導入する際に注意すべきポイント
① 多通貨対応ができるか
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USD、EUR、CNY、THB など主要通貨に対応している決済システムを選ぶ
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自動換算か、固定レート設定かを確認する
② 決済手数料が高いことがある
PayPalや国際ブランド決済は、国内決済より手数料が高めです。
販売価格に手数料を織り込むケースも多いです。
③ 不正利用対策を強化する必要がある
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不正検知システム(Fraud Detection)の導入
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3Dセキュア2.0対応
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IPアドレス・デバイス指紋のチェック
越境ECは不正利用が多いため、決済システムのセキュリティは最重要ポイントです。
④ 現地ユーザーに合った決済を用意する
「世界共通の決済=クレジットカード」ではありません。
国によって利用率が大きく変わるため、ターゲット国に合わせて導入することが成功の鍵です。
まとめ:越境ECは“決済対応”が成功のカギ
越境ECとは、
自国以外の消費者にネット販売を行うビジネスモデルで、世界中に市場を拡大できる非常に大きなチャンスです。
しかし、成功するためには以下が必須です:
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中国向け:銀聯・Alipay・WeChat Pay
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国際向け:PayPal・多通貨クレジットカード決済
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セキュリティ対策は強化必須
決済は「購入率」「売上」「信頼性」に直結します。
越境ECを始める際は、まずターゲット国に最適な決済手段を選ぶことが最重要です。
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