逆ざやとは

逆ざやとは?生命保険で起きる“予定外の損失”をわかりやすく解説

保険や金融の世界で耳にすることのある「逆ざや(ぎゃくざや)」という言葉。特に生命保険の運用に関連して使われることが多いですが、具体的にどういう意味なのかご存じですか?

この記事では、「逆ざや」の意味からその背景、起きるとどうなるのか、保険契約者への影響までを、初心者にもわかりやすく解説していきます💡

📘 逆ざやとは?

逆ざやとは、生命保険会社が契約者に約束していた予定利率よりも、実際の資産運用の利回り(実績利率)が下回ってしまう状態のことを指します。

簡単に言うと、

「これくらいは増やせるはず」と想定していた利回りに届かず、保険会社が赤字をかぶる状態

と考えるとわかりやすいでしょう。

🔄「利ざや」との違い

  • 利ざや:実際の利回りが予定利率を上回る → 保険会社が利益を得られる

  • 逆ざや:実際の利回りが予定利率を下回る → 保険会社が損失を被る

 

💼 なぜ逆ざやが起きるの?

逆ざやが発生する背景には、経済環境の変化が大きく関係しています。

たとえば、1990年代のバブル期などは、予定利率が5~6%と高く設定されていた時代もありました。しかしその後、長引く低金利時代に入り、保険会社が運用する資産の利回りは大きく下落。

その結果、「運用しても約束した利率ほどの利益が出ない」という状況が生まれ、逆ざやとなってしまうのです。

🧮 具体的なシチュエーションで考えてみよう

たとえば…

  • 1992年にある契約者が「予定利率5.5%」の終身保険に加入

  • しかし2025年現在の市場利回りは1.0%前後

  • 保険会社は、5.5%の増加分を実際には1.0%しか増やせない

この差(4.5%)は、保険会社が自腹で補填する形となり、長期間になると巨額の負担となります。

🤔 契約者に影響はあるの?

一般的に、すでに契約している保険については、契約時に定められた予定利率が適用され続けるため、契約者側に直接の損はありません。

ただし…

  • 将来の配当金の減額

  • 新規契約での予定利率の引き下げ

  • 一部保険商品の販売停止や見直し

といった間接的な影響が出てくる可能性があります。

🔐 保険会社はどう対応している?

逆ざやのリスクを回避・軽減するため、保険会社では以下のような対策を講じています。

  • 予定利率の見直し:新規契約では現実的な利率を設定

  • 商品構成の再設計:変額保険など、市場変動に応じた設計へ

  • 内部準備金の積立:万一の損失に備える安全弁を確保

 

📝 まとめ:逆ざやは“保険会社のリスク”、でも知っておくべき用語!

「逆ざや」は保険契約者が直接損をする仕組みではありませんが、保険制度の仕組みや金利の影響を知るうえで、とても大切なキーワードです。

特に長期契約の商品に加入している方、もしくは加入を検討している方は、「予定利率」「運用環境」などにも目を向けてみると、より納得のいく選択ができるでしょう✨

さらに参照してください:

「逆選択」とは?保険制度を揺るがすリスクをわかりやすく解説