「配当(はいとう)」という言葉は、株式投資や企業経営の文脈でもよく耳にしますが、生命保険にも「配当」という仕組みがあります。
ただし、投資の配当と生命保険の配当では意味合いが少し異なります。
この記事では、生命保険における配当の仕組みや、有配当保険と無配当保険の違い、実際のメリット・注意点を初心者にもわかりやすく解説します。
一般的な「配当」とは?
まず、一般的に「配当」とは、企業が得た利益を株主や出資者に分配することを指します。
たとえば、上場企業の株式を保有していると、決算期ごとに利益の一部が「株主配当」として支払われることがあります。
生命保険における「配当」とは?
生命保険会社では、契約時に設定した予定利率や予定死亡率などに基づいて保険料を計算しています。
しかし、実際の運用益や支払い実績が予定より良かった場合、その差によって「余剰金」が生じます。
この余剰金の一部を契約者に分配する仕組みを「配当金」といいます。
つまり、保険会社の運営が予定より良かった場合に戻ってくる“利益の分け前”のようなものです。
有配当保険と無配当保険の違い
生命保険には大きく分けて 「有配当保険」と「無配当保険」 があります。
有配当保険
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配当金を受け取る可能性がある保険
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ただし、必ずしも配当があるわけではなく、余剰金が発生しない年は配当金ゼロ
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配当の受け取り方法(積立・保険料充当・現金受取など)を選べる場合がある
無配当保険
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そもそも配当金を支払わない仕組みの保険
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予定利率などを実際の数値に近づけて設計しているため、有配当保険よりも保険料が割安に設定されることが多い
配当金はどう受け取れる?
生命保険の配当金には、いくつかの受け取り方法があります。
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据置:配当金を保険会社に預けて利息をつける
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保険料充当:配当金を翌年以降の保険料にあてる
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現金受取:配当金を現金で受け取る
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積立:配当金で新しい保険を買い増しする(増額保険方式)
たとえば、長期で加入する終身保険では「据置」や「積立」を選ぶと、将来的な保障額や解約返戻金の増加につながります。
具体例でイメージ
例1:有配当保険に加入している場合
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加入時に予定利率2%で設計
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実際の運用が好調で、結果的に予定より利益が出た
→ その差額の一部が「配当金」として契約者に分配される
例2:無配当保険に加入している場合
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初めから配当金は出ない設計
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その代わり、月々の保険料が有配当保険より安く済む
まとめ
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一般的な配当は「企業の利益の分配」
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生命保険における配当は「予定より良かった運営成果を契約者に還元する仕組み」
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保険には「有配当保険」と「無配当保険」があり、配当の有無や保険料に違いがある
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配当金は、据置・保険料充当・現金受取・積立などの方法で受け取れる
生命保険を選ぶときは「配当があるかどうか」だけでなく、保障内容や保険料とのバランスを見ながら検討することが大切です。
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