会社員や公務員として働く人が病気やけがで障害を負った場合に支給されるのが障害厚生年金です。
障害基礎年金と組み合わせて受け取れるケースもあり、生活を支える大切な制度です。
この記事では、障害厚生年金の仕組み・受給条件・等級・金額についてわかりやすく解説します。
障害厚生年金とは?
障害厚生年金は、厚生年金に加入している人が、その加入期間中に発症した病気やけがによって障害となった場合に支給される年金です。
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1級・2級:障害基礎年金と障害厚生年金を併給
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3級:障害厚生年金のみを支給(障害基礎年金はなし)
👉 厚生年金加入者特有の制度であり、自営業者や専業主婦(国民年金加入者)の場合は対象外です。
受給するための条件
障害厚生年金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。
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厚生年金に加入中の病気やけがが原因であること
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障害認定日(初診日から1年6か月後など)において障害等級に該当していること
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障害基礎年金と同様に、保険料納付要件を満たしていること
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初診日の前日において、加入期間のうち 3分の2以上が納付済みまたは免除済み
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または、初診日の前1年間に未納がないこと
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等級と年金額
障害厚生年金の等級は1級・2級・3級に分かれています。
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1級:重度の障害。障害基礎年金+障害厚生年金(報酬比例部分×1.25)
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2級:日常生活に著しい制限。障害基礎年金+障害厚生年金(報酬比例部分)
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3級:労働に制限がある程度の障害。障害厚生年金のみ(最低保障額あり)
※報酬比例部分とは、厚生年金に加入していたときの給与や加入期間に基づいて計算されます。
障害基礎年金との違い
項目 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
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加入対象 | 国民年金加入者(全国民) | 厚生年金加入者(会社員・公務員など) |
等級 | 1級・2級 | 1級・2級・3級 |
金額計算 | 定額(+子の加算あり) | 報酬比例(給与や加入期間に応じて変動) |
併給 | 不可(単独) | 1級・2級は基礎年金と併給可 |
具体例
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例1:会社員が勤務中に事故で両目の視力を失い、障害等級1級 → 障害基礎年金+障害厚生年金(1級計算)を受給。
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例2:長年勤務した会社員が難病を発症し、日常生活に制限がある障害等級2級 → 障害基礎年金+障害厚生年金(報酬比例部分)を受給。
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例3:労働に一部制限が残る障害等級3級 → 障害厚生年金のみを受給。
まとめ
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障害厚生年金は、厚生年金加入者が障害を負ったときの生活保障制度。
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1級・2級は障害基礎年金との併給が可能、3級は厚生年金のみ支給。
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年金額は加入期間と給与(報酬比例部分)に応じて決まり、個人差があります。
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受給には保険料納付要件の確認が必須です。
障害厚生年金は、働く人の生活を守る大切な制度です。もし対象になりそうな場合は、早めに年金事務所や専門家へ相談することをおすすめします。
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