「定年後も働きたいけど、収入が下がるのは心配…」
そんな悩みを抱える60歳以上の方にとって心強いのが、「高年齢雇用継続給付(こうねんれいこようけいぞくきゅうふ)」という制度です。
この記事では、制度の概要から対象条件、受給のしくみまで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。再雇用や継続雇用を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
💡 高年齢雇用継続給付とは?
高年齢雇用継続給付とは、60歳以降も働き続ける人の生活を支えるために、賃金が一定以上下がった場合に支給される雇用保険の給付制度です。
目的は、定年後の「雇用継続」や「再就職」を支援し、職業生活の延長をスムーズにすることにあります。
🧾 高年齢雇用継続給付の2つの種類
この制度には、状況に応じた2つの給付があります。
給付名 | 対象者 | 特徴 |
---|---|---|
高年齢雇用継続基本給付金 | 定年後も同じ会社で働き続ける人 | 賃金が60歳時点より75%未満に低下した場合に支給 |
高年齢再就職給付金 | 60歳以降に新たに再就職した人 | 失業給付を受けた後に再就職した場合に支給 |
📌 高年齢雇用継続基本給付金のポイント
✔ 支給される条件
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60歳以降も同じ会社で働き続けている
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雇用保険の被保険者期間が5年以上
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賃金が60歳時点の75%未満に減少している
✔ 支給額のイメージ
支給額は、「60歳以後の賃金水準」と「60歳時点の賃金」の比率によって決まります。
月額の上限はありますが、最大で賃金の15%程度が支給されるケースもあります。
📌 高年齢再就職給付金のポイント
✔ 支給される条件
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60歳以降に失業し、基本手当を受給
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再就職して雇用保険の被保険者になった
-
再就職後の賃金が以前の賃金の75%未満
✔ 支給期間と注意点
原則として最長2年間支給されます。再就職後の条件変更などにより、支給が打ち切られる場合もあるため、詳細はハローワークでの確認が必要です。
🧑💼【事例紹介】定年後も働き続けるAさんの場合
Aさん(60歳)は、定年後に継続雇用制度を利用し、同じ会社で働き続けることに。
しかし60歳以降の賃金は、60歳時点の月額30万円から22万円へと下がりました(73%に減少)。
この場合、Aさんは**「高年齢雇用継続基本給付金」**の対象となり、月々の賃金とは別に約3万円程度の給付金を受け取ることが可能になりました。
📝 申請の方法と手続き
高年齢雇用継続給付を受けるためには、事業主がハローワークを通じて申請する必要があります。被保険者本人からの直接申請はできません。
申請に必要な主な書類
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支給申請書(会社が作成)
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賃金台帳・出勤簿など
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雇用保険被保険者証 など
会社の総務・人事部門と連携しながら、60歳到達前から準備を始めるのがおすすめです。
❗ 注意しておきたいポイント
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厚生年金の在職老齢年金との併給制限あり
⇒ 所得に応じて年金と給付金のバランスが変わることがあります。 -
賃金が75%以上だと給付対象外
⇒ 給付金が目的で賃金を下げることは推奨されません。 -
給付内容は法律改正で変わる可能性あり
⇒ 最新情報は必ず厚生労働省またはハローワークの公式情報を確認しましょう。
✅ まとめ|高年齢雇用継続給付は「働き続ける人」の強い味方
高年齢雇用継続給付は、60歳を過ぎてからも働きたい、働く必要があるという方にとって非常に心強い制度です。
自分の働き方に合った給付があるかどうかを早めにチェックし、将来に備えておくことが大切です。
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