「社員(しゃいん)」という言葉、あなたはどんな意味で使っていますか?
多くの人は「会社で働く人=社員」と思い浮かべるでしょう。
しかし、法律(とくに会社法)においては、まったく別の意味を持つ言葉です。
この記事では、「社員」という言葉が持つ日常的な意味と法律上の意味の違いについて、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
✅ 「社員」の日常的な意味:会社で働く従業員
まずは、私たちが日常生活で使う「社員」という言葉について見てみましょう。
● 一般的な「社員」とは?
日常会話における「社員」は、会社に雇われて働いている従業員のことを指します。
たとえば:
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「彼は○○会社の社員です」
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「社員旅行に行きます」
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「新入社員の研修がある」
といった使い方をします。
この意味では、会社と雇用契約を結んでいる人すべてが対象で、正社員、契約社員、派遣社員などの区別が入ることもあります。
⚖️ 法律上の「社員」とは?:社団法人の構成員
一方、**法律(とくに会社法や民法)における「社員」**には、まったく異なる意味があります。
● 法律での定義
法律においての「社員」とは、**社団法人の構成員(メンバー)**を指します。
この「社員」は、会社を“所有する側”の立場であり、経営に対する決定権を持つことが特徴です。
たとえば:
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株式会社の場合 → 株主が「社員」
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一般社団法人 → 定款で定められた「社員」が構成員
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合同会社(LLC)→ 出資者(=社員)が経営者を兼ねる
● 誤解されがちな例
「株式会社の社員」という言葉を、“従業員”の意味で使うと法律的には誤解のもとになります。
法的な文脈では、「社員=構成員(出資者)」を意味しているためです。
💡 具体例で理解しよう
用語の使い方 | 意味する「社員」 | 対象者 |
---|---|---|
「社員旅行」 | 日常用語の社員(従業員) | 会社で働く人全般 |
「社員総会」 | 法律用語の社員(構成員) | 株主や一般社団法人の構成員など |
「社員証」 | 日常用語の社員 | 正社員・契約社員・派遣社員など |
「社員の資格」 | 法律用語の社員 | 社団法人での構成員になる資格 |
🧭 なぜこの違いが重要なのか?
保険契約書や登記簿、定款などの「法律文書」では、「社員」という言葉が法律上の意味で使われていることが多くあります。
そのため、以下のようなシーンでは注意が必要です:
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法人保険の加入時に「社員」として誰が対象か確認するとき
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一般社団法人での役員や議決権に関わる場面
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法務書類を読む・作成する場面
📝 まとめ:社員の意味は文脈によって異なる!
分類 | 「社員」の意味 | 対象 |
---|---|---|
日常用語 | 会社で働く人(従業員) | 正社員・契約社員・派遣社員など |
法律用語 | 法人の構成員(出資者・メンバー) | 株主・出資者・定款上の社員など |
「社員」という言葉は、使われる文脈によって意味がまったく変わる用語のひとつです。
とくに保険や法務に関わる文章では、“誰のことを指しているのか”をしっかり確認することが大切です。
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