親族とは

「親族」とは?民法上の定義と保険での重要ポイントをやさしく解説

保険の契約や給付の際に「親族」という言葉をよく目にするものの、具体的にどこまでの関係が含まれるのか、あいまいに感じたことはありませんか?

実は、「親族」の範囲は法律(民法)で明確に定められており、保険契約や相続、医療同意など、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。

この記事では、初心者の方にもわかりやすく、「親族」の範囲とその背景、保険との関係について解説します。

🔍 親族の定義は民法725条に明記

まず、法律上の「親族」は、民法第725条で次のように定められています。

親族とは
・六親等内の血族
・配偶者
・三親等内の姻族

この条文を少し噛み砕いて解説しましょう。

🧬 血族とは?

血族には、2つの種類があります。

  • 自然血族:両親、子、兄弟姉妹など、血のつながりによって生じる関係

  • 法定血族:養子縁組によって法律上の親子関係を持つ者(=養子や養親)

民法上の「六親等内の血族」とは、自分から見て6世代以内の血縁関係にある人たちを指します。たとえば以下のような人たちが該当します:

  • 両親、祖父母、曾祖父母(上の世代)

  • 子、孫、ひ孫(下の世代)

  • 兄弟姉妹、おい・めい、いとこ、いとこの子 など

💡ポイント:六親等といっても、いとこの子(再従兄弟)くらいまで含まれます。

💍 配偶者とは?

ここでいう配偶者とは、「法律上の結婚をしている相手」のことです。つまり、婚姻届を役所に提出し、受理された夫婦が対象となります。

⚠️ 注意:内縁(事実婚)関係は、法律上の配偶者には含まれません。

👨‍👩‍👧‍👦 姻族とは?

「姻族」とは、婚姻によってできた親族関係を指します。たとえば以下のようなケースです:

  • 自分の配偶者の父母(義父母)

  • 自分の兄弟姉妹の配偶者(義兄弟)

  • 配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹 など

民法上では、三親等以内の姻族が「親族」に含まれます。

🏥 保険で「親族」が関係する具体例

では、なぜこの「親族」の定義が保険で重要なのでしょうか?以下のような場面で関係してきます。

✅ ① 死亡保険金の受取人

契約者が死亡した際、保険金を受け取るのは「指定された親族」であることが多いです。受取人を指定していない場合、**民法上の相続人(親族)**が対象になることもあります。

✅ ② 保険契約者の同意や手続き

未成年の契約者が保険加入する際など、親族(法定代理人)の同意が必要になるケースもあります。

✅ ③ 医療同意や連絡先として

医療保険では、緊急時に親族が病院からの連絡を受ける、同意をするなどの場面があります。

👪 内縁の配偶者は親族に含まれる?

繰り返しになりますが、内縁関係の配偶者(いわゆる事実婚)は法律上の「親族」とはみなされません。ただし、生命保険会社によっては、内縁配偶者を保険金受取人に設定できる場合もあるため、事前に確認することが大切です。

まとめ|「親族」の範囲を正しく知ることが、保険の理解に役立つ

区分 親族に含まれる例 親族に含まれない例
血族 両親、兄弟姉妹、祖父母、いとこ 七親等以上の遠縁
配偶者 婚姻届けを出した夫・妻 内縁(事実婚)
姻族 義父母、義兄弟姉妹 配偶者の姻族の配偶者(遠縁)

「親族」の定義は、保険における契約や給付の手続き、法的トラブルを回避するうえでも重要な知識です。保険選びや見直しの際には、親族の範囲をしっかりと理解しておくことが、安心につながります。

さらに参照してください:

身体的危険とは?現症・既往症・持病との違いもわかりやすく解説