「老後の年金を満額もらうには、何年間保険料を払えばいいの?」
「国民年金は40年払わないと満額にならないって本当?」
こうした疑問を解決するために重要なのが 「加入可能年数(かにゅうかのうねんすう)」 という考え方です。
本記事では、加入可能年数の仕組みをわかりやすく解説し、世代ごとの違いや注意点を整理します。
加入可能年数とは?
加入可能年数 とは、国民年金の被保険者として加入できる期間のことを指します。
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原則:20歳から60歳までの 40年間 が上限
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この40年すべて保険料を納めれば、老齢基礎年金を「満額」受給可能
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不足があれば、その分だけ年金額は減額される
👉 つまり、加入可能年数 = 最大で40年 が基本となります。
国民年金制度の発足と経過措置
国民年金は 昭和36年(1961年)4月 にスタートしました。
その時点で既に20歳を過ぎていた人(=制度発足前に成人していた世代)は、どうしても「20歳から60歳までの40年」をすべて加入することはできません。
例
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昭和16年(1941年)4月1日以前生まれの人
→ 20歳時点では国民年金制度が存在しなかった
→ 昭和36年(1961年)4月から60歳になるまでの期間だけが「加入可能年数」
この場合、40年には満たないものの、与えられた加入可能年数をすべて納めれば満額の老齢基礎年金が受けられる 仕組みになっています。
加入可能年数と年金額の関係
年金額は、
満額 ×(納付済み期間 ÷ 加入可能年数)
で計算されます。
例1:現行世代(20歳から60歳までの40年加入可能)
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40年間すべて納付 → 満額(令和6年度:年額約81万円)
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30年間納付 → 満額の 30/40 = 75%
例2:国民年金制度発足前に20歳を過ぎていた世代
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加入可能年数が「35年」の人 → 35年間すべて納めれば満額
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30年しか納めていない → 満額の 30/35 ≒ 86%
👉 ポイントは「世代ごとに加入可能年数が異なる」ということです。
よくある誤解
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「40年払わないと満額はもらえない」 → 誤解です。
制度発足時点で20歳を超えていた世代は、40年に満たなくても 自分の加入可能年数を満たせば満額 となります。 -
「未納と加入可能年数不足は同じ」 → 違います。
加入可能年数自体が短いのは制度上の問題であり、未納扱いにはなりません。
まとめ
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加入可能年数 とは、国民年金に加入できる期間のこと。
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原則は「20歳から60歳までの40年間」。
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制度発足前に20歳を超えていた世代は40年に満たないが、与えられた期間をすべて納めれば満額受給可能。
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年金額は「納付済み期間 ÷ 加入可能年数」で計算される。
👉 自分の「加入可能年数」が何年かを理解しておくと、将来の年金見込み額をより正確に把握できます。
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