年金の相談でよくあるのが、
「昔、海外に住んでいた期間は年金に入っていなかったけど、将来の年金にはどうなるの?」
「学生のときに国民年金に入っていなかったけど大丈夫?」
といった疑問です。
実は、こうした期間は 「合算対象期間(がっさんたいしょうきかん)」 と呼ばれ、老齢基礎年金などの 受給資格期間に算入される特別な期間 です。
ただし重要なのは、 年金額には反映されない という点。このため「カラ期間」とも呼ばれています。
合算対象期間とは?
合算対象期間とは、老齢基礎年金などを受け取るための 資格期間(10年)を満たすために計算に入れられるが、年金額には加算されない期間 のことです。
つまり、
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年金を「受け取れるかどうか」の判定には役立つ
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しかし「受け取る金額」には影響しない
という位置づけになります。
合算対象期間の具体例
次のようなケースが合算対象期間になります。
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昭和61年(1986年)3月以前
国民年金に任意加入できた人が加入しなかった期間 -
平成3年(1991年)3月以前
学生であるため国民年金に任意加入しなかった期間 -
昭和36年(1961年)4月以降
海外に居住していた期間(20歳以上60歳未満) -
その他
上記の期間で任意加入をしたが、保険料を納めなかった期間
なぜ「カラ期間」があるのか?
国民年金制度が始まったのは昭和36年(1961年)。
しかし当初は「学生は任意加入」「海外居住者も任意加入」とされていました。
結果として「加入していなかった人」が多く存在し、これを完全に未納扱いにすると年金を受け取れない人が続出してしまいます。
そこで、 資格期間だけは満たせるようにする救済措置 として合算対象期間が設けられたのです。
合算対象期間の確認方法
「自分にカラ期間があるかどうか」は、年金記録 を確認する必要があります。
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ねんきん定期便
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ねんきんネット(日本年金機構の公式サイト)
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年金事務所での記録照会
で確認可能です。
注意点
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合算対象期間は 年金額を増やす効果はない
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受給資格を満たすための「救済措置」
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将来の年金額を増やしたい場合は、任意加入や追納を検討する必要がある
具体例
例1:
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海外赴任で30歳~35歳まで国民年金に未加入
→ この5年間は合算対象期間として 資格期間に算入
→ ただし年金額は増えない
例2:
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昭和60年に20歳の学生で任意加入していなかった
→ この1年間も合算対象期間
→ 将来の老齢基礎年金の受給資格には役立つ
まとめ
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合算対象期間(カラ期間) とは、老齢基礎年金の資格期間には算入されるが、年金額には反映されない期間。
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学生時代や海外居住中、国民年金に任意加入していなかった期間が主な対象。
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受給資格を確保するために重要な制度であり、将来の年金を受け取れるかどうかに直結する。
👉 不安がある方は、早めに「ねんきんネット」や年金事務所で記録を確認しておきましょう。
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