大学生や専門学生の方からよくある質問が、
「学生の間は国民年金を払わなくてもいいの?」というものです。
実は、学生には 「学生納付特例制度」 という制度が用意されており、一定の条件を満たすと在学中の国民年金保険料を 猶予 できます。
この記事では、制度の内容・メリット・注意点を専門家の視点からわかりやすく解説します。
学生納付特例制度とは?
学生納付特例制度(がくせいのうふとくれいせいど) とは、大学・大学院・短大・高等専門学校・専修学校などに通う学生で、前年所得が一定額以下の場合に利用できる制度です。
この制度を利用すると、在学中は国民年金保険料の 納付が猶予 されます。
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申請が必要(自動適用ではない)
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世帯主や親の所得は関係なく、本人の所得のみで判定
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猶予された期間は 未納ではなく「資格期間に含まれる」
学生納付特例のメリット
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資格期間にカウントされる
猶予中でも「受給資格期間」に含まれるため、将来の年金受給資格を確保できます。 -
障害や死亡への備えになる
猶予中に事故や病気で障害状態になったり、万一死亡した場合でも、-
障害基礎年金
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遺族基礎年金
の対象になります。
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将来追納できる
猶予された保険料は、原則 10年間まで遡って追納 が可能です。
注意点
ただし注意が必要なのは、追納しないままだと 将来の老齢基礎年金額に反映されない という点です。
例:
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学生時代に3年間特例を利用
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追納しなければ、その3年分は年金額に加算されない
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将来の年金額が減ってしまう
👉 つまり「資格期間は確保できるけど、金額は減る」仕組みです。
手続き方法
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申請先:住所地の市区町村役場または年金事務所
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必要書類:
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学生証のコピー(在学証明書でも可)
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所得を確認できる書類(通常は不要、年金機構で判定)
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学生納付特例申請書
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申請時期:毎年度更新が必要
具体例で理解
たとえば、
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20歳の大学生(所得ゼロ)
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学生納付特例を申請 → 4年間分が猶予される
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就職してから、余裕があれば追納する
→ 追納すれば老齢基礎年金額に反映され、追納しなければその分だけ将来の年金額が減る、という選択肢が持てます。
まとめ
学生納付特例制度は、学生の負担を軽減しつつ、将来の年金受給資格を守るための大切な仕組みです。
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本人の所得が一定以下なら利用可能
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申請しなければ適用されない
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障害・遺族年金の保障はカバー
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将来の老齢基礎年金額を確保したいなら追納が大切
👉 「学生の間は年金を払わなくてもいい」と誤解されがちですが、正しくは「猶予制度があるので申請して利用する」のがポイントです。
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