てん補(填補/てんぽ)とは、保険会社が保険契約に基づき、保険事故によって発生した損害を金銭で補うことをいいます。
主に損害保険(火災保険・自動車保険・傷害保険など)で使われる用語で、契約者や被保険者が受けた経済的損失を埋め合わせる役割を果たします。
「てん補」の基本的な考え方
損害保険は、事故や災害によって発生した損害を補償することが目的です。
この「補償」の行為そのものを専門的にてん補と呼びます。
具体例
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自動車事故で相手の車を壊してしまった → 修理費用を保険会社が支払う
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火災で家財が焼失した → 焼失分の時価額を保険会社が支払う
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台風で屋根が破損した → 修理費用を保険金として受け取る
これらはいずれも「発生した損害額のてん補」です。
生命保険の「給付」との違い
生命保険や医療保険では、契約時に定めた金額が支払われます。
これは「損害額に応じた支払い」ではなく、あらかじめ決めた定額給付方式です。
一方、損害保険のてん補は、実際に生じた損害額を上限として支払う点が大きな違いです。
てん補の注意点
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保険金は損害額を超えて受け取れない(超過分は自己負担なし)
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免責金額が設定されている場合は、その分は契約者が自己負担する
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故意や重大な過失による損害は、支払対象外となることが多い
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時価額が基準となるため、新品価格とは異なる場合がある
まとめ
「てん補」は損害保険の根本的な考え方であり、契約者が被った経済的損失を保険会社が補う仕組みです。
ただし、保険金は損害額を上限とし、契約内容や免責事項によって支払い範囲が制限されるため、契約時に補償範囲をしっかり確認しておくことが大切です。
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