みなし配当とは

みなし配当とは?法人税法上の取り扱いと具体例をわかりやすく解説

法人税の申告や会計処理を行う際に、耳にすることがある「みなし配当」という言葉。
会計や税務の初心者にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、実際には「配当と同じ扱いをされる金銭や資産」のことを指します。
この記事では、みなし配当の基本から具体的な事例まで、わかりやすく整理して解説します。

みなし配当とは?

みなし配当とは、法人税法上「配当とみなされる金額」のことです。
通常の配当(剰余金の配当や分配)には当てはまらない場合でも、実質的に利益の分配と同じ意味を持つものは「みなし配当」として扱われます。

法人税法第23条における「剰余金の配当または分配等」には該当しないケースでも、実質的には利益の分配と同等である場合、受取配当等に関する益金不算入の規定が適用されます。

みなし配当が発生する具体的なケース

みなし配当は、法人が以下のような行為を行った場合に発生します。

  1. 適格合併以外の合併

    • 合併により資産や金銭を受け取った場合、実質的に利益を受け取ったとみなされます。

  2. 適格分割型分割以外の分割型分割

    • 分割型分割でも、適格要件を満たさない場合には、みなし配当が発生します。

  3. 資本の払戻しや解散による残余財産の分配

    • 分割型分割以外での資本払戻しや、法人解散時に残余財産を受け取った場合。

  4. 自己株式や出資の取得

    • 金融商品取引所での購入など、一定の取得以外の方法で取得した場合。

  5. 出資の消却・払戻し

    • 発行法人によらない形での出資の消滅。

  6. 株式や出資以外の資産交付を伴う組織変更

    • 組織再編や事業再編の際に資産が交付された場合。

 

みなし配当の税務上のポイント

  • 益金不算入の適用
    受取配当等の益金不算入の規定により、一定の条件を満たすみなし配当は課税所得から控除されます。
    これにより、二重課税を避けることができます。

  • 会計処理の注意点
    みなし配当は、通常の配当とは異なるケースが多いため、帳簿上で適切に区分することが必要です。

 

まとめ

みなし配当とは、形式上は配当でなくても、実質的に利益の分配と同等の扱いを受ける金銭や資産のことを指します。
法人税の申告や会計処理を行う際には、以下の点に注意することが重要です。

  • 適格要件を満たさない合併・分割・組織変更がある場合に発生する

  • 受取配当等の益金不算入の規定が適用される場合がある

  • 会計上の仕訳や帳簿管理を正確に行う

みなし配当の仕組みを理解することで、法人税の申告や連結決算の処理がスムーズになります。

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