FX取引で「相場の流れを読む力」を身につけたいと考えたとき、必ず名前が挙がるのがエリオット波動論（エリオットはどうろん）です。
エリオット波動論は、為替相場を含む金融市場の値動きには共通する波のパターンが存在すると考えるテクニカル分析理論です。
本記事では、FX初心者の方にもわかりやすく、エリオット波動論の基本構造・原則・実際の取引での活用イメージまで丁寧に解説します。
エリオット波動論の基本的な考え方
エリオット波動論の最大の特徴は、相場は一定のサイクルを繰り返して動くという点にあります。
そのサイクルは、次のように構成されます。
・上昇5波
・下降3波
合計8つの波で、1つの相場サイクルが形成されると考えられています。
FX相場では、トレンドが発生すると一直線に動くのではなく、押し目や戻りを作りながら進みます。エリオット波動論は、その「揺れ」を体系的に整理した理論です。
上昇5波と下降3波の構造
上昇局面（インパルス波）
上昇トレンドでは、以下の5つの波が形成されます。
・上昇第1波
・上昇第2波（調整）
・上昇第3波
・上昇第4波（調整）
・上昇第5波
この中でも、上昇第3波は最も勢いが出やすい波とされ、FXトレーダーが狙いやすい局面です。
下降局面（コレクティブ波）
上昇5波が終わると、次に下降3波が現れます。
・下降第1波
・下降第2波（戻り）
・下降第3波
この3波は、上昇トレンドに対する調整局面として考えられます。
エリオット波動論の重要な3つの原則
エリオット波動論には、必ず守られるとされる3つの原則があります。
これを理解しておくことで、カウントミスを防ぎやすくなります。
原則① 上昇第3波が最も短くなることはない
上昇第1波・第3波・第5波の中で、上昇第3波が最短になることはありません。
実際のFX相場でも、第3波は出来高が増え、大きく伸びやすい傾向があります。
原則② 上昇第2波は第1波の起点を下回らない
上昇第2波は調整波ですが、上昇第1波のスタート地点を割り込むことはありません。
もし割り込んだ場合、そのカウントはエリオット波動として成立しません。
原則③ 上昇第4波は第1波の高値を割り込まない
上昇第4波は調整局面ですが、上昇第1波の高値を下回ることはないとされています。
このルールも、波動を見極める重要な判断材料になります。
FX取引でのエリオット波動論の使い方【具体例】
例えば、ドル円（USD/JPY）を日足チャートで見ているとします。
・安値から上昇し始めた動き → 上昇第1波
・一度押し目を作る → 上昇第2波
・勢いよく上昇 → 上昇第3波
このような形が確認できた場合、第2波終了後の押し目は、買いエントリーを検討しやすいポイントになります。
ただし、エリオット波動論だけでエントリーを判断するのは危険です。
実際の取引では、移動平均線やRSI、MACDなど、他のテクニカル指標と組み合わせることが重要です。
エリオット波動論を使う際の注意点とリスク
エリオット波動論は非常に奥が深く、以下のような注意点があります。
・波の数え方に主観が入りやすい
・初心者はカウントがズレやすい
・相場環境によっては機能しにくい場面もある
特にFX初心者の方は、「必ず当たる理論」だと誤解しないことが大切です。
あくまで相場を分析するための一つの考え方として使い、損切り（ロスカット）を前提にしたリスク管理を徹底しましょう。
まとめ｜エリオット波動論は相場の流れを理解するための強力な武器
エリオット波動論は、FX相場の値動きを「波」という視点で整理できる、非常に有名なテクニカル分析理論です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、基本構造と3つの原則を押さえることで、相場の流れが以前より見えやすくなります。
FX初心者の方は、まずはデモトレードや過去チャートで波動を確認しながら、少しずつ理解を深めていくことをおすすめします。
エリオット波動論を正しく使い、無理のない資金管理とともに、安定したFX取引を目指しましょう。
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