FX取引をしていると、「CNH」や「CNY」といった人民元の通貨コードを目にすることがあります。
実は、中国の通貨である人民元には、取引される市場の違いによって2つの種類が存在します。
それが、オフショア人民元(CNH)とオンショア人民元(CNY)です。
この記事では、オフショア人民元(CNH)の仕組み、CNYとの違い、FX取引での注意点までを初心者にもわかりやすく解説します。
オフショア人民元(CNH)の基本的な意味
オフショア人民元(CNH)とは、中国本土の外にある市場で取引される人民元のことを指します。
主な取引拠点は、香港、シンガポール、イギリス(ロンドン)などです。
中国本土以外の居住者が参加する市場で売買されるため、中国国内の為替規制が直接適用されないのが特徴です。
オンショア人民元(CNY)との違い
人民元には、次の2つの市場が存在します。
・オンショア人民元(CNY)
・オフショア人民元(CNH)
オンショア人民元(CNY)は、中国本土の居住者が参加する上海外国為替市場で取引されます。
中国当局による管理や規制のもとで取引されるため、為替レートの変動幅も一定の制限があります。
一方、オフショア人民元(CNH)は、規制が比較的少なく、市場の需給を反映したレートが形成されやすいという特徴があります。
CNHとCNYはなぜレートが違うのか
CNHとCNYは市場が分断されているため、為替レートが2つ存在します。
・CNY:政策や管理の影響を受けやすい
・CNH:投資家心理や国際情勢を反映しやすい
そのため、中国経済への不安や地政学リスクが高まると、CNHがCNYよりも大きく動くことがあります。
FX市場では、CNHの動きが「市場の本音」を表す指標として注目される場面もあります。
FX取引におけるオフショア人民元(CNH)の位置づけ
日本のFX会社では、米ドル/人民元(USD/CNH)などの通貨ペアとして提供されることがあります。
CNHは、以下のような特徴を持つ通貨です。
・値動きが比較的急になりやすい
・政策発言や中国経済指標の影響を受けやすい
・流動性は主要通貨より低め
そのため、FX初心者の方は、まず仕組みを理解してから少額で取引することが重要です。
CNHを取引する際の注意点とリスク
オフショア人民元を取引する際は、次の点に注意が必要です。
・スプレッドが広くなりやすい
・急変動時にスリッページが起こりやすい
・中国当局の政策変更による影響が大きい
特に、突然の政策発表や規制強化のニュースは、CNH相場を大きく動かす要因になります。
レバレッジを抑え、ロスカットを前提とした資金管理を徹底しましょう。
オフショア人民元(CNH)はどんな人に向いている?
・中国経済や国際情勢に関心がある人
・主要通貨以外の通貨にも挑戦したい人
・中級者以上でリスク管理に慣れている人
一方、FXを始めたばかりの方は、まずドル円やユーロドルなど、流動性の高い通貨ペアから経験を積むのがおすすめです。
まとめ|オフショア人民元(CNH)は市場実勢を映す中国通貨
オフショア人民元(CNH)は、中国本土外で取引される人民元で、規制が少なく市場実勢を反映しやすい通貨です。
オンショア人民元(CNY)との違いを理解することで、中国経済や為替市場の動きをより深く読み取ることができます。
ただし、値動きやリスクも比較的大きいため、FX初心者の方は慎重な取引が必要です。
十分な知識とリスク管理を身につけたうえで、CNHをFX取引に活かしていきましょう。
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