デリバティブ(Derivative)とは、通貨・金利・債券・株式などの原資産の価格変動に連動して価値が変わる金融商品や、その取引を指します。
日本語では「金融派生商品」とも呼ばれ、リスクヘッジや投資戦略の一環として利用されます。
デリバティブの基本的な考え方
デリバティブは、株や債券のように「モノそのもの」を売買するのではなく、原資産の将来の価格変動を対象とした契約です。
たとえば、将来の金利上昇リスクを避けるために金利スワップ契約を結ぶなど、値動きそのものを取引するのが特徴です。
主なデリバティブ取引の種類
デリバティブにはいくつかの代表的な形態があります。
-
先物取引(Futures)
将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で原資産を売買する契約。
例:3か月後に原油を1バレルあたり80ドルで購入する契約 -
オプション取引(Options)
将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で原資産を「買う権利」または「売る権利」を売買する取引。
例:株価が上がったら権利を行使して利益を得る -
スワップ取引(Swaps)
将来の一定期間、異なる条件のキャッシュフローを交換する契約。
例:変動金利と固定金利の支払いを交換する「金利スワップ」
デリバティブの活用例
-
リスク回避(ヘッジ)
為替変動や金利変動による損失を防ぐため、輸出企業が為替先物を利用 -
投資・投機
値動きを予想して利益を狙うトレーダーが株価指数先物を活用 -
資産運用の効率化
現物取引より少ない資金でレバレッジをかけられるため、効率的に資産配分を行う
注意点
デリバティブはリスクヘッジに有効な一方で、価格変動による損失が大きくなる可能性もあります。特にレバレッジ効果が高いため、初心者が安易に取引すると想定以上の損失を被ることもあります。
契約内容や取引の仕組みを十分に理解したうえで利用することが重要です。
まとめ
デリバティブは、原資産の値動きを利用してリスクを管理したり、利益を追求したりできる金融取引です。
先物取引、オプション取引、スワップ取引など多様な形態があり、企業の経営戦略から個人投資家の資産運用まで幅広く活用されています。
ただし、メリットと同時にリスクも大きいため、正しい知識と計画的な運用が欠かせません。
さらに参照してください: