トンチン性(とんちんせい)とは、トンチン保険やトンチン年金において、生存期間に応じて給付額が変化する性質や、長生きするほど有利になる「射幸的(しゃこうてき)な傾向」を指す言葉です。
生命保険や年金商品の中でも、長寿リスクへの備えとして設計された仕組みに深く関わる概念です。
トンチン保険(年金)とは?
トンチン保険(英語では “Tontine”)は、複数の契約者が保険料を出し合い、その運用益を生き残った加入者に分配する仕組みを持つ保険や年金制度です。
18世紀ヨーロッパで考案され、日本では長寿リスク対応型の商品として応用されています。
ポイント
長生きすればするほど、総受取額が増える可能性があるのが特徴です。
トンチン性の特徴
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生存期間に比例して給付が増える
長生きする人ほど、他の加入者が亡くなった後の分配を受けられるため有利になります。 -
射幸性がある
「長生きできれば多く受け取れる」という偶然性・期待感があり、ギャンブル的な要素を含むという意味で射幸的と表現されます。 -
長寿リスク対策に有効
公的年金だけでは老後資金が不足する可能性があるため、長生きに備える手段として注目されています。
具体例で見るトンチン性
たとえば、10人が同じ年にトンチン年金に加入し、同額の掛金を支払ったとします。
運用益は全員分をまとめて管理し、毎年「生存している人」に等分して支給します。
加入者が減れば分配額は増え、長生きした人ほど総受取額が多くなります。
これが「トンチン性」の典型的な例です。
トンチン性がある商品の注意点
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途中解約や早期死亡で損をする可能性
長生きできなかった場合、支払った保険料に比べて受け取れる金額が少なくなることがあります。 -
商品によって仕組みが異なる
日本の現行商品では、従来の欧米型トンチン保険の仕組みをそのまま採用していない場合が多く、元本保証や最低受取額を設定しているケースもあります。
まとめ
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トンチン性は、長生きするほど給付が増えるトンチン保険や年金特有の性質
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射幸性を持ち、長寿リスクに備える手段として有効
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ただし、早期死亡や途中解約では不利になることもあるため、仕組みの理解が重要
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