三利源とは

三利源とは?生命保険・損害保険の利益の仕組みをわかりやすく解説

保険商品は「万が一に備えるためのもの」と思われがちですが、保険会社にとってはビジネスでもあり、経営にはさまざまな“利益”の仕組みがあります。

その中核を成すのが「三利源(さんりげん)」です。

この記事では、生命保険・損害保険それぞれにおける三利源の意味や仕組みを、わかりやすく丁寧に解説します。

✅ 三利源とは?【基本の定義】

三利源」とは、保険会社が保険事業を通じて得られる主な利益の3つの源泉を指します。
とくに生命保険や損害保険の運営では、この三利源によって収益の健全性が保たれています。

🧾 生命保険における三利源

生命保険での三利源は、以下の3つです。

利益の種類 概要
利差益(りさえき) 実際の運用利回りが予定より良かったことで得られる利益
費差益(ひさえき) 実際の事業費が予定より少なかったことで生じる利益
死差益(しさえき) 実際の死亡率が予定より低かったことで得られる利益

● 利差益とは?

保険会社は、保険料の一部を運用に回しています。
あらかじめ「予定利率」を設定しており、これを上回る運用実績が出ると「利差益」が発生します。

例:
予定利率が1.5%、実際の運用利回りが2.0%だった場合、その差の0.5%が利差益となります。

● 費差益とは?

保険契約の管理や販売にかかる費用(事業費)は、あらかじめ「予定事業費率」に基づいて保険料に織り込まれています。
実際の支出がこの予定より少なければ、その差額が「費差益」となります。

● 死差益とは?

生命保険では、予定死亡率に基づいて保険金の支払いを見込んでいます。
実際の死亡率がそれより低ければ、支払う保険金が減るため「死差益」が生まれます。

🔍 損害保険における三利源

損害保険においても、同様に3つの利益源があります。ただし内容が一部異なり、以下のように構成されます。

利益の種類 概要
利差益 資産運用による利益
費差益 実際の経費が予定より少なかった利益
危険差益(きけんさえき) 実際の損害額が予定より少なかったことによる利益

● 危険差益とは?

損保では、事故や災害による損害発生を前提に「予定損害率」が設定されます。
この想定より実際の支払いが少なければ、その差が「危険差益」になります。

例:
自動車保険で、年間100人が事故を起こすと予想していたが、実際には80人だった場合、20人分の支出が浮き、危険差益が発生するイメージです。

✨ 三利源は保険料や配当にも影響する?

三利源によって得られた利益は、保険会社の経営を安定させるだけでなく、保険契約者への配当に使われることもあります。

とくに配当付き保険では、この三利源によって将来的な還元額が変わってくる場合があります。

📝 まとめ|三利源を知ると、保険の見え方が変わる

「三利源」は、保険料の内訳や保険会社の経営を読み解くうえでとても重要なキーワードです。
なんとなく保険料を払っているだけでは見えなかった、保険会社のビジネス構造や契約者への還元の仕組みが見えてきます。

保険を選ぶ際にも、「この商品は三利源による配当があるか?」「利差益を活かした運用型か?」といった視点を持つと、より納得のいく選択ができるかもしれません。

さらに参照してください:

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