事業費率とは

事業費率とは?生命保険の保険料に関わる重要な数字をやさしく解説

生命保険の仕組みを理解しようとすると、専門用語がたくさん出てきますよね。
その中でも「事業費率(じぎょうひりつ)」は、保険料の仕組みを理解するうえで欠かせないキーワードのひとつです。

この記事では、「事業費率とは何か?」という基本から、「予定事業費率」との違い、そして保険料にどう関わるのかまで、初心者にもわかりやすく解説します。

✅ 事業費率とは?

事業費率とは、生命保険会社が保険事業を運営するために使う費用(事業費)が、収入保険料に占める割合のことです。

🔍 用語を分解すると…

  • 事業費:保険会社が使う経費(営業費、人件費、事務費 など)

  • 収入保険料:契約者から集めた保険料の総額

つまり、保険会社が集めたお金のうち、どれだけが「経費」として使われているかを示すのが「事業費率」です。

🧮 事業費率のイメージを簡単に説明すると…

たとえば、ある保険会社が年間で100億円の保険料収入を得て、そのうち20億円を事業運営のための経費として使っていたとします。

この場合の**事業費率は「20%」**になります。

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事業費率 = 事業費 ÷ 収入保険料 × 100
= 20億円 ÷ 100億円 × 100 = 20%

📘「予定事業費率」との違いは?

保険契約時に使われる用語として、「予定事業費率(よていじぎょうひりつ)」というものがあります。

これは、**将来的にかかる事業費を見積もって保険料に反映させるための「予定の率」**です。

✅ 予定事業費率はここで使われる!

生命保険の保険料は、次の「3つの予定率」をもとに計算されています。

基礎率の名前 内容
予定死亡率 将来の死亡リスクの予測
予定利率 運用による利回りの予測
予定事業費率 事業運営にかかるコストの予測

このうち「予定事業費率」は、どれくらいの経費を保険料に組み込んでおくかを示す重要な要素です。

💬 具体的なイメージ:保険料の中身

あなたが支払う毎月の保険料も、以下のように分かれています。

保険料 = 保険金に備える部分(純保険料)+ 経費分(付加保険料)

この「経費分」がまさに事業費(付加保険料)であり、その割合を計算したのが事業費率というわけです。

📌 事業費率が高いとどうなる?

事業費率が高いと、以下のようなことが懸念されます。

  • 経費が多くかかっている=効率が悪い可能性

  • 保険料の大部分が経費に消えている=保障に回るお金が少ない

もちろん、営業活動やサポート体制が充実している保険会社は、それなりのコストがかかることもあります。
ですが、事業費率の高さが「高コスト体質」や「契約者への還元の少なさ」につながる場合もあるため、注目すべき指標のひとつといえます。

🔍 まとめ:事業費率は「保険料の中身」を知るヒント!

  • 事業費率は、保険料のうち「保険会社の経費」が占める割合

  • 契約時に見込まれる「予定事業費率」は、保険料の算出に使われる

  • 事業費率が高すぎる保険は、保障以外の部分に多くコストがかかっている可能性も

生命保険を選ぶ際は、「保険料の安さ」だけでなく、どんな費用に使われているのか=事業費率にも目を向けることが大切です。

さらに参照してください:

事故有係数とは?保険料が高くなる仕組みと無事故係数との違い