自動車保険に加入する際に見かける「人身搭乗中のみ担保特約(じんしんとうじょうちゅうのみたんぽとくやく)」。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、補償範囲を限定することで保険料を抑えることができる特約として注目されています。
本記事では、この特約の意味や補償内容、他の似た保険との違い、どんな人に向いているかまでをわかりやすく解説します。
人身搭乗中のみ担保特約とは?
人身搭乗中のみ担保特約とは、「人身傷害補償保険」に付けられる特約のひとつです。
この特約を付けると、補償対象が“契約している車に乗っているときの事故”に限定されます。
✅ 特約の特徴
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対象となるのは契約車両に搭乗中の事故のみ
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歩行中や自転車に乗っているときの事故などは対象外
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補償は過失割合にかかわらず実損害をカバー(=実損払い)
人身傷害補償保険と何が違うの?
まずはベースとなる「人身傷害補償保険」と比べてみましょう。
補償の対象 | 通常の人身傷害補償保険 | 人身搭乗中のみ担保特約付き |
---|---|---|
契約車に乗っている時 | ✅ 補償あり | ✅ 補償あり |
歩行中の事故 | ✅ 補償あり | ❌ 補償なし |
自転車走行中の事故 | ✅ 補償あり | ❌ 補償なし |
家族の別の車に同乗中 | ✅ 補償あり(条件あり) | ❌ 補償なし |
保険料 | やや高め | 比較的安め |
👉要するに、「契約車両に乗っているとき以外の事故」は補償されない点が大きな違いです。
具体例で理解する|こんなケースに補償される?されない?
ケース①:自分の車に乗っていて追突されケガ
➡ 補償される(契約車両に搭乗中)
ケース②:通勤中、自転車で車と接触してケガ
➡ 補償されない(契約車両以外の状況)
ケース③:家族が徒歩で通学中に事故に巻き込まれた
➡ 補償されない(歩行中は対象外)
人身傷害補償担保特約との関係
「人身傷害補償担保特約」という言葉も似ていますが、これは人身傷害補償保険の補償内容そのものを示す場合に使われることもあります。
「人身搭乗中のみ担保特約」は、「人身傷害補償担保特約」の補償範囲を契約車両搭乗中のみに限定する形です。
搭乗者傷害保険との違いは?
もう一つよく混同されるのが「搭乗者傷害保険」です。
項目 | 人身傷害補償保険(+搭乗中のみ特約) | 搭乗者傷害保険 |
---|---|---|
補償方法 | 実損害を補償(実損払い) | 症状に応じた定額支払い |
過失割合の影響 | なし(過失割合にかかわらず全額補償) | 基本的に関係なし |
入院・通院・後遺障害への補償 | ✅ あり | ✅ あり(定額) |
保険金の計算方法 | 実際にかかった費用ベース | あらかじめ定められた金額で支払われる |
この特約はどんな人に向いている?
✔ 保険料を抑えたい人
→ 補償範囲を限定する分、保険料は安くなります
✔ 車の使用はほぼ一台に限定されている人
→ 通勤や日常使用の車が決まっていて、別の交通手段をあまり使わない人
✔ 家族全体ではなく、契約車両搭乗時のみの補償で十分な人
加入時の注意点
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自分や家族が歩行中・自転車利用時の事故にも備えたい場合は、この特約は不向きです。
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車に「よく乗るけれど保険料はできるだけ抑えたい」という人にとっては有効な選択肢となります。
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保険会社やプランによって、特約の名称や細かい内容が異なることもあるため、パンフレットや約款の確認は必須です。
まとめ|「人身搭乗中のみ担保特約」は補償を絞ってコストを抑えたい人向け
「人身搭乗中のみ担保特約」は、人身傷害補償保険の補償対象を契約車両に乗っているときの事故のみに限定することで、保険料を抑えることができる特約です。
歩行中や自転車事故などもカバーしたい場合は、補償範囲が広いタイプの人身傷害補償保険を選ぶ必要があります。
生活スタイルやリスクを見極めて、保険の内容を選びましょう。
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