年金制度の中にはあまり知られていない仕組みのひとつとして 「付加年金(ふかねんきん)」 があります。実は少額の負担で、将来の年金受給額を効率的に増やせる制度なのです。
この記事では、付加年金の仕組みや加入条件、メリット・注意点を初心者向けに解説します。
付加年金とは?
付加年金とは、国民年金の第1号被保険者(自営業者・フリーランス・学生など)や任意加入被保険者が、国民年金の保険料に加えて「付加保険料(月額400円)」を納めることで、将来の年金額を上乗せできる制度 のことです。
支給される年金は「老齢基礎年金」に加算され、定額で上乗せされる仕組み になっています。
付加年金でもらえる金額
付加年金の上乗せ額はとてもシンプルです。
👉 200円 × 付加保険料の納付月数
たとえば、10年間(120か月)付加保険料を納めた場合の上乗せ額は…
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200円 × 120か月 = 月額24,000円
つまり、老齢基礎年金にプラスして 毎月24,000円の付加年金が一生涯支給される ことになります。
付加年金のメリット
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コストパフォーマンスが高い
月額400円の負担で、将来は「200円×納付月数」が一生涯支給されるため、長生きするほどお得になります。 -
加入手続きが簡単
市区町村の役所で申請すればすぐに利用可能です。 -
物価変動に影響されない安定した給付
付加年金は定額のため、景気や物価に左右されず確実に受け取れます。
注意点とデメリット
付加年金は魅力的な制度ですが、次の点に注意が必要です。
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国民年金基金に加入している人は利用できない
国民年金基金と付加年金は併用できません。 -
元が取れるまでに時間がかかる
例えば月400円を10年間払い続けた場合、合計支払額は48,000円。年金で元が取れるのはわずか数年で可能ですが、早く亡くなった場合は受給額が少なくなる可能性があります。 -
会社員や公務員は対象外
第2号被保険者(会社員・公務員)は加入できません。
具体的な加入シチュエーション
例えば、フリーランスとして働く30代の方が付加年金を選んだ場合、65歳から老齢基礎年金にプラスして、納付期間に応じた付加年金を一生涯受け取れます。
「自営業で老後の年金額に不安がある」「国民年金基金は負担が重い」と感じる方にとって、低コストで始められる現実的な選択肢といえるでしょう。
まとめ
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付加年金とは:国民年金に月額400円を上乗せして納めることで、老齢基礎年金にプラスして定額の年金を受け取れる制度。
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上乗せ額の計算式:200円 × 納付月数。
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メリット:コスパが高い、安定して受け取れる、手続きが簡単。
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注意点:国民年金基金と併用不可、早期死亡の場合は不利になる可能性あり、第2号被保険者は対象外。
少額の負担で老後の安心を増やせる付加年金は、自営業者やフリーランスの強い味方といえる制度です。
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