代理事務手数料(だいりじむてすうりょう)とは、投資信託に関する業務の一部を委託会社(運用会社)に代わって行う販売会社が、その対価として受け取る報酬のことです。
主な対象業務には、収益分配金や償還金の支払いがあります。
代理事務手数料が発生する仕組み
投資信託には、運用を行う「委託会社」と、投資信託を販売・管理する「販売会社」があります。
販売会社は、投資家と直接やり取りをする窓口として、以下のような事務を行います。
-
投資家への収益分配金の支払い
-
投資信託が満期や償還を迎えた際の償還金の支払い
-
各種手続きの案内・サポート
これらの事務は本来、委託会社が行うべき業務ですが、実務上は販売会社が代行します。その業務の対価として支払われるのが代理事務手数料です。
関連用語の解説
収益分配金(しゅうえきぶんぱいきん)
投資信託の運用によって得られた収益の一部を、投資家に直接還元するお金のこと。株式の配当金に似ており、単に「分配金」と呼ばれることもあります。
償還金(しょうかんきん)
投資信託の運用が終了する償還日(満期日)に、投資家が保有している口数に応じて返還されるお金です。
元本が保証されるわけではなく、運用成果によって金額は変動します。
代理事務手数料は投資家にどう影響する?
代理事務手数料は、販売会社の収益源の一つですが、直接的に投資家が支払う費用ではなく、信託財産から差し引かれる形で処理されます。
つまり、投資信託の**基準価額(1口あたりの価値)**に間接的な影響を与える可能性があります。
そのため、投資信託を選ぶ際には、信託報酬やその他の手数料構成の中に代理事務手数料が含まれているかを確認することが大切です。
具体例
例)ある投資信託の信託報酬内訳
-
委託会社(運用会社):年0.6%
-
販売会社:年0.3%(代理事務手数料を含む)
-
受託会社(資産の保管管理):年0.1%
この場合、販売会社は投資家への分配金や償還金の支払い業務を代行し、その分が代理事務手数料として報酬に含まれます。
まとめ
-
代理事務手数料は、販売会社が委託会社に代わって行う事務業務の報酬
-
主な対象業務は、収益分配金・償還金の支払い
-
投資家が直接支払う形ではないが、信託財産から差し引かれるため基準価額に影響する可能性あり
-
投資信託選びでは、信託報酬の内訳も確認することが重要
さらに参照してください: