交通事故でけがを負ってしまったとき、治療のために仕事を休まざるを得ないケースがあります。
そんなとき、**働けなかった期間の収入の減少を補償してくれるのが「休業損害(きゅうぎょうそんがい)」**です。
この記事では、休業損害の基本的な考え方から、請求方法、必要書類までわかりやすく解説します。
✅ 休業損害とは?簡単にいうと「本来得られたはずの収入」
休業損害とは、交通事故がなければ本来得られていたはずの収入を補償する制度です。特に給与所得者(サラリーマンなど)がけがによって出勤できなくなった場合、その期間に支払われなかった給与相当額を「損害」として保険会社に請求できます。
例えばこんなケース
サラリーマンのAさんは、事故で足を骨折し、2週間入院と自宅療養が必要になりました。その間は出勤できず、有給休暇もすでに使い切っていたため、給与が支払われませんでした。このような場合、休業損害として2週間分の給与を請求することが可能です。
✅ 休業損害の請求に必要な書類とは?
休業損害を保険会社に請求するためには、収入と休業の事実を証明する書類が必要になります。
主な提出書類
書類名 | 内容 |
---|---|
源泉徴収票・給与明細など | 被害者の収入状況を証明 |
休業損害証明書 | 事故後に勤務先が作成。以下の項目を記載: ① 実際に会社を休んだ期間 ② その期間中の給与の支払い状況 ③ 有給休暇の使用状況 |
診断書・通院証明書など | 治療のために休業が必要だったことを証明 |
勤務先に協力してもらい、正確に証明書類を準備することがスムーズな請求のカギとなります。
✅ 有給休暇を使った場合はどうなる?
「有給を使って休んだから収入の損失はないし、休業損害は請求できないのでは?」
そう思われる方も多いかもしれません。
しかし実際には、有給休暇の使用も「損害」として認められることがあります。
なぜなら、有給休暇は本来であれば病気や家族の事情など別の機会に使えたもの。
それを事故治療のために使ったことは、「権利を失った=損害」とみなされるのです。
✅ 自営業者・パート・アルバイトも対象になる?
はい、給与所得者に限らず、自営業者やパート・アルバイトであっても、休業損害を請求することができます。
ただし、実際の収入を証明する書類(確定申告書や帳簿など)や、実際にどの程度業務ができなかったかを客観的に示す資料が必要となります。
✅ 休業損害の計算方法の基本
計算方法は保険会社や個々のケースによって異なるものの、一般的には以下の式が用いられます。
例えば、1か月の給与が30万円で、20日勤務として計算するならば:
✅ 休業損害を請求する際の注意点
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休業期間を証明する責任は被害者にある
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必要書類を不備なく揃えることが大切
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保険会社と補償額で意見が合わない場合は弁護士への相談も視野に
まとめ|交通事故による「収入の損失」は泣き寝入りしないで!
交通事故でのケガにより仕事を休むことになった場合、その期間の収入を補償してもらうことが可能です。
休業損害という制度を正しく理解し、適切な書類を準備すれば、正当な補償を受けることができます。
不明点がある場合は、保険会社や弁護士などの専門家に早めに相談しましょう。
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