年金制度にはさまざまな種類があり、人によっては2つ以上の年金を受け取る権利(受給権)を得る場合があります。
しかし、そのまま重複して全額を受け取れるわけではなく、「併給調整(へいきゅうちょうせい)」という仕組みが適用されます。
この記事では、併給調整の基本ルール、例外的に併給できるケース、注意点をわかりやすく解説します。
併給調整とは?
併給調整とは、同じ人が複数の年金を受給できる条件を満たした場合に、どの年金を受け取れるのかを調整する仕組みのことです。
👉 基本ルール
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原則として、1人1つの年金を受けるのが基本
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複数の年金の受給権がある場合、本人の選択によって一方を受給し、もう一方は支給停止
ただし、すべての年金が選択制になるわけではなく、例外的に両方が受け取れるケースも存在します。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は併給できる
「国民年金」と「厚生年金」は制度の性格が異なるため、両方を併給できます。
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老齢基礎年金:すべての国民が加入する基礎的な年金
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老齢厚生年金:会社員や公務員などが加入し、基礎年金に上乗せされる年金
したがって、会社員として厚生年金に加入していた人は、原則として「老齢基礎年金+老齢厚生年金」の両方を受給できます。
遺族年金や障害年金と併給する場合
複雑になりやすいのが「遺族年金」や「障害年金」との組み合わせです。
遺族年金と老齢年金
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原則:どちらかを選択
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特例:一部のケースでは、遺族年金と老齢厚生年金を併給できる
障害年金と老齢年金
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原則:どちらかを選択
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ただし、障害年金と老齢厚生年金の一部が併給できるケースもあり
👉 ポイント
「どの年金を選ぶのが有利か」は人によって異なるため、年金事務所での確認が重要です。
併給調整の例外
併給調整には例外的に両方を受け取れる仕組みもあります。
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老齢基礎年金+老齢厚生年金 → 併給可能(一般的な組み合わせ)
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遺族厚生年金+老齢基礎年金 → 一定条件で併給可能
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障害基礎年金+遺族厚生年金 → 併給可能
つまり、必ずしも「どちらか一方」ではなく、制度の組み合わせによっては両方を受給できることがあります。
まとめ
併給調整は、複数の年金を受け取る権利が発生したときに、どの年金を優先して受け取れるのかを決める仕組みです。
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原則は「1人1つの年金」
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老齢基礎年金+老齢厚生年金は併給可能
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遺族年金や障害年金はケースによって選択制 or 併給あり
👉 「自分はどの年金を選ぶのが有利か」は年齢・加入歴・配偶者の有無などによって変わります。受給開始前に年金事務所や専門家に相談することをおすすめします。
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