価格変動準備金とは

価格変動準備金(かかくへんどうじゅんびきん)とは?わかりやすく解説

保険会社の決算書やニュースなどで目にすることがある「価格変動準備金」。
一見むずかしそうですが、簡単にいえば 株式など資産の価格が下がったときの“備え” です。

この記事では、保険の専門用語「価格変動準備金」の意味や仕組み、なぜ必要なのかを初心者にもわかりやすく解説します。

✅ 価格変動準備金とは?

**価格変動準備金(かかくへんどうじゅんびきん)**とは、保険会社が保有する株式などの資産価格が下落したときに備えて、あらかじめ積み立てておく準備金のことです。

  • 保険業法で積立が義務付けられている

  • 毎月の積立は、資産ごとに定められた基準に基づき、積立限度額に達するまで行う

✅ つまり
→「株価が大きく下がったらどうしよう?」に備える保険会社の安全網です。

✅ なぜ必要なの?

保険会社はお客様から集めた保険料を、将来の保険金支払いに備えて運用しています。
株式や債券などの投資で増やしつつ、保険金支払いの原資を確保するためです。

✅ しかし…

  • 株価が急落したら大きな損失

  • 保険金をきちんと払えなくなるリスク

そのリスクを和らげるために、価格変動準備金を積み立てておくのです。

✅ どんな資産が対象?

  • 株式

  • 外国証券

  • 不動産投資信託(REIT)など

価格変動リスクが大きい資産を中心に、法令で「対象資産」が定められています。

✅ 仕組みと会計処理

✅ 保険業法に基づき

  • 毎月、積立基準で算出して積み立て

  • 上限(積立限度額)に達するまで続ける

✅ 決算書(貸借対照表)では

  • 負債の部 に計上

なぜ負債?
→ 将来の損失補填に充てる「引当金」的な性質だからです。

✅ いつ使うの?

✅ 価格変動準備金は「取り崩し」できます。
具体的には…

  • 対象資産を売却したときの損失が発生

  • 評価損が大きくなり売却益を超えた場合

✅ 例

  • 株式を売ったら大きな損が出た
    → その損失を埋めるため、積み立てた価格変動準備金を取り崩す

 

✅ 【イメージしやすい例】

たとえば保険会社が…

  • たくさんの株を保有

  • 景気後退で株価が急落

  • 巨額の評価損・売却損が発生

✅ そんなとき
→ 積み立てた価格変動準備金を使って損失を補填
→ 財務の安定を保つ

✅ まとめ

価格変動準備金とは
→ 保険会社が株式など資産価格の下落に備えて積み立てるお金

目的は
→ 資産価格の急変動による大きな損失に対応するため

ポイント

  • 保険業法で積立が義務付けられている

  • 貸借対照表の負債の部に計上

  • 売却損や評価損が出たときに取り崩し可能

さらに参照してください:

価額(かがく)とは?保険分野での意味をわかりやすく解説