保険を契約するとき、多くの人は「保険会社」や「保険代理店」を思い浮かべるでしょう。
しかし、実は 「保険仲立人(ほけんなかだちにん)」 という第三者的な立場でサポートしてくれる専門家も存在します。
この記事では、保険仲立人の役割や特徴、そして保険代理店との違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。
保険仲立人(保険ブローカー)とは?
保険仲立人とは、英語で「Insurance Broker(インシュランス・ブローカー)」とも呼ばれる存在です。
契約者と保険会社の間に立ち、契約者の利益を第一に考えて、最適な保険契約を実現すること が役割です。
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保険会社と委託契約を結んでいない
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契約者のために「ベストアドバイス義務」を負う
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公正・中立の立場で保険商品を比較・提案できる
つまり、保険仲立人は保険会社の“営業マン”ではなく、契約者の味方 として動く点が大きな特徴です。
保険仲立人制度が始まった背景
日本で保険仲立人制度が導入されたのは、1996年(平成8年)の保険業法改正からです。
その目的は以下のとおりです。
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保険商品の販売チャネルを多様化する
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保険会社同士の競争を促進する
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契約者の利便性を向上させる
つまり、「保険をもっと自由に選べる環境を整えること」が狙いでした。
保険仲立人と保険代理店の違い
保険に関わる専門家としてよく知られているのは「保険代理店」です。
では、保険仲立人とはどう違うのでしょうか?
項目 | 保険仲立人(ブローカー) | 保険代理店 |
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立場 | 契約者の代理人 | 保険会社の代理人 |
契約関係 | 保険会社と委託契約なし | 特定の保険会社と契約あり |
義務 | 契約者へのベストアドバイス義務 | 契約する保険会社の商品を販売 |
メリット | 公平に複数商品を比較できる | 保険会社の商品知識が豊富 |
このように、「誰の立場で動くか」 が最大の違いです。
利用シーンの例
保険仲立人は、次のようなケースで特に頼りになります。
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法人が事業リスクに合わせた保険を選びたいとき
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海外保険や特殊な保険商品を検討しているとき
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複数の保険会社の商品を比較して最適なものを選びたいとき
たとえば、企業が海外進出する際には、日本の保険代理店だけでは提案が限られる場合があります。
このようなとき、保険仲立人はグローバルなネットワークを活かして、最適な保険を紹介できます。
まとめ
保険仲立人(保険ブローカー)は、契約者の立場に立って最適な保険を提案してくれる専門家です。
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保険会社と利害関係がないため、中立的に比較・提案できる
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1996年の保険業法改正で制度化された
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保険代理店とは「契約者の代理人か、保険会社の代理人か」という立場が異なる
保険を選ぶとき、「どの会社の商品が自分に合うのかわからない」と迷う方にとって、保険仲立人は心強いパートナーとなるでしょう。
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