ビジネスをしていると避けられない「信用リスク」。
「取引先が支払いをしてくれなかった…」「従業員が不正を働いた…」といった万が一の損害に備える手段のひとつが、**信用保険(しんようほけん)**です。
この記事では、
-
信用保険の基礎知識
-
「身元信用保険」と「貸倒保険」の違い
-
団体信用保険(団信)との違い
などを初心者向けにわかりやすく解説します。
🔍 信用保険とは?
信用保険とは、損害保険の一種で、他人の信用に起因して発生する損害をカバーする保険です。
企業や事業主などが、取引先や従業員との関係における“信用リスク”を軽減するために加入します。
信用保険には、大きく分けて以下の2種類があります。
種類①:身元信用保険(みもとしんようほけん)
従業員による不正行為から企業を守る保険です。
🔸 具体例
たとえば――
-
経理担当者が会社の資金を横領
-
店舗スタッフが商品を盗んで転売
-
営業社員が顧客から不正に金銭を受け取る
こうしたケースで企業が被った損害をカバーするのが、身元信用保険です。
✅ カバーされる主なリスク
-
窃盗
-
詐欺
-
横領
-
背任 など
特に現金や金銭を扱う業務に従事する従業員を多く抱える企業では、導入しておくことでリスク分散になります。
種類②:貸倒保険(かしだおれほけん)
取引先が支払い不能になった際に備える保険です。
🔸 具体例
-
商品を納品したのに代金を支払ってもらえない
-
売掛先が倒産し、未収金が回収できなくなった
こうした「債務不履行」による損害を補償するのが、貸倒保険です。
✅ 特徴
-
取引先の倒産・経営破綻に備えられる
-
中小企業やスタートアップでも加入可能な商品が増えている
-
保険会社によっては信用調査とセットのサービスも提供
事業継続の安定性を高めるために、多くの企業が導入を検討しています。
💡 関連用語:「団体信用保険(団信)」とは別物!
「信用保険」と似た名称で**団体信用生命保険(通称:団信)**がありますが、まったく性質が異なる保険です。
項目 | 信用保険 | 団体信用保険(団信) |
---|---|---|
対象 | 企業活動における信用リスク | 個人の住宅ローン返済リスク |
主な補償内容 | 従業員の不正、取引先の貸倒 | 契約者の死亡・高度障害時のローン残債支払い |
保険の種類 | 損害保険 | 生命保険 |
団信は、主に住宅ローンの契約時に加入する保険で、契約者が死亡または重度障害になったときに保険金でローンが完済される仕組みです。企業向けの「信用保険」とは用途が大きく異なるため、混同しないように注意しましょう。
📌 まとめ|信用リスクに備える保険の選択肢
保険名 | 主な対象 | 補償されるリスク |
---|---|---|
身元信用保険 | 企業と従業員の関係 | 窃盗・詐欺・横領・背任などの不正行為による損害 |
貸倒保険 | 債権者と債務者の関係 | 債務不履行(未払い・倒産)による損失 |
団体信用保険(団信) | 個人と金融機関 | 死亡・高度障害による住宅ローン支払い不能 |
ビジネスの成長とともに、リスクも広がります。
特に企業経営では、信用リスクによる損害は事業継続に大きく影響するため、信用保険の導入は“守り”の経営戦略のひとつともいえるでしょう。
さらに参照してください: