健康保険組合とは

健康保険組合とは?企業がつくるもうひとつの医療保険制度をやさしく解説【けんこうほけんくみあい】

「会社の保険って、協会けんぽだけじゃないの?」
「健康保険組合って、結局なにが違うの?」

会社員の方で、健康保険証に「〇〇健康保険組合」と書かれていて疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業や業界団体が設立する**「健康保険組合(けんこうほけんくみあい)」**について、初心者にもわかりやすく解説します。

✅ 健康保険組合とは?

健康保険組合とは、

企業や団体が自ら設立・運営する、公的な医療保険制度の一種です。

健康保険法に基づき、「被保険者(=主に社員)」やその家族に対する保険給付や、健康づくりを支援する福祉事業を行う法人です。

🏢 健康保険組合の種類と設立形態

健康保険組合には、設立方法によって主に次の2つがあります:

組合の種類 内容例
単一健康保険組合 ひとつの大企業が単独で設立(例:トヨタ健康保険組合)
総合健康保険組合(共同設立) 同じ業種や業界の複数企業が共同で設立(例:食品業界健康保険組合)

どちらも「協会けんぽ(全国健康保険協会)」とは異なる独自の組織であり、運営主体が企業や団体自身である点が特徴です。

💡 協会けんぽとの違いは?

比較項目 健康保険組合 協会けんぽ
設立主体 企業や団体が独自に設立 国が設立(厚生労働省所管)
保険料率 組合ごとに決定 全国一律に近い
給付内容 一部独自の上乗せ給付あり 基本的に法律に基づいた給付
保健事業 健診や運動支援など独自に実施 一部地域や企業により対応

つまり、健康保険組合の方が、保険料やサービスに柔軟性があるケースが多く、企業努力によってより手厚い保障や健康支援が受けられることもあります。

📋 どんな事業をしているの?

健康保険組合は、主に次のような業務を行います:

① 医療費の給付

  • 病気やけがに対する診療費の支払い(7割給付)

  • 高額療養費、傷病手当金、出産手当金など

② 保健事業(健康づくり)

  • 生活習慣病予防健診

  • 禁煙サポート、運動促進キャンペーン

  • 健康相談窓口の設置

  • メンタルヘルス対策

これにより、医療費の増加を抑えつつ、加入者の健康維持を図っています。

🧾 健康保険組合に加入するには?

健康保険組合への加入は、企業の制度として自動的に行われるのが一般的です。対象となる企業に就職した場合、その健康保険組合に加入する形になります。

例:

  • トヨタ自動車 → トヨタ健康保険組合

  • 日本郵政 → 郵政健康保険組合

会社を退職した場合には、健康保険組合からは脱退し、任意継続、協会けんぽ、国保などへ切り替える必要があります

👨‍🏫 実際のシチュエーション:Aさんの場合

Aさんは、食品メーカーに勤務。入社後は「〇〇食品健康保険組合」に加入。
会社の健康診断とは別に、組合が実施する生活習慣改善プログラムにも参加し、ダイエットや運動の習慣が身につきました。

→ 組合独自の健康支援が、実生活の中で活用されている好例です。

✨ まとめ:健康保険組合は“企業が支える安心の医療制度”

  • 健康保険組合は、企業や団体が設立する公的な医療保険組織

  • 協会けんぽと異なり、独自の給付や健康支援サービスを提供

  • 会社員で加入している人も多く、企業ごとに制度の特色がある

会社の保険証に「〇〇健康保険組合」と書かれている方は、自分の組合が提供している支援制度をぜひ一度チェックしてみましょう!

さらに参照してください:

建設工事保険とは?火災や台風など工事中のリスクをカバーする保険を解説【けんせつこうじほけん】