「病気やケガで会社を休んだら、収入がゼロになってしまうのでは?」
そんな不安を抱える会社員の方にとって心強い制度が**傷病手当金(しょうびょうてあてきん)**です。
この記事では、傷病手当金の仕組みや対象者、支給条件、金額の計算方法などをやさしく解説します。
突然の入院や長期療養に備えて、ぜひ確認しておきましょう。
✅ 傷病手当金とは?
傷病手当金とは、業務外の病気やケガで働けなくなったときに、健康保険から支給される生活保障のための制度です。
会社の健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)が保険金を支給します。
❗ポイント:仕事中や通勤中のケガ(労災)ではなく、「業務外」の理由で働けなくなった場合が対象です。
🧾 支給の条件
以下のすべての条件を満たす必要があります:
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業務外の病気やケガによる休業であること
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労務不能である(医師の診断書などが必要)
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連続する3日間を含め、4日以上仕事を休んでいる
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その期間に給与の支払いがない、または傷病手当金より少ないこと
💰 支給額はどのくらい?
傷病手当金の支給額は、以下の計算式で求められます:
支給日額 = (標準報酬月額 ÷ 30)× 2/3
※「標準報酬月額」とは、健康保険料の算出基準になる月収の目安です。
▶ 具体例
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標準報酬月額:30万円
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日額:30万円 ÷ 30 = 1万円
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傷病手当金:1万円 × 2/3 = 6,666円/日(概算)
📅 支給期間はどれくらい?
傷病手当金の支給期間は、**最長で1年6カ月(通算)**です。
注意点として、途中で一度回復し職場復帰した後に再度同じ病気で休んでも、支給開始日から1年6カ月が上限になります。
⚠ 支給されないケースに注意!
以下のような場合は、傷病手当金が支給されないことがあります:
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欠勤中も通常通り給与が支払われている
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業務上や通勤中のケガ・病気(=労災扱い)
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自営業・フリーランスなど、被保険者でない場合
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美容整形など医療目的でない手術や休養
🏥 実際のシチュエーションで見る「傷病手当金」
◆ ケース1:インフルエンザで7日間会社を休んだ
→ 条件を満たせば、4日目以降の4日分が支給対象に。
◆ ケース2:入院で1カ月休業。給与は全額ストップ
→ 医師の診断書があり、労務不能が証明されれば1カ月分全額が支給される可能性あり。
📝 傷病手当金の申請方法
申請は以下の手順で行います:
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健康保険の「傷病手当金支給申請書」を入手
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本人・事業主・医師の記入欄をそれぞれ記載
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健康保険組合または協会けんぽへ提出
※申請には診断書や会社の証明が必要なため、早めの準備を心がけましょう。
まとめ|いざという時に安心できる備えを
「傷病手当金」は、会社員や公務員が業務外の病気やケガで収入が途絶えたときの、公的なセーフティネットです。
仕組みや条件を理解しておくことで、いざというときに冷静に手続きを進めることができます。
特に収入の不安が大きい長期休業時に備えて、保険証や給与明細とあわせて制度の概要も確認しておきましょう。
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