全国健康保険協会管掌健康保険(以下「協会けんぽ」)とは、全国健康保険協会が運営する健康保険制度のことで、主に中小企業で働く従業員やその家族が加入します。
仕事以外で発生した病気やケガ、出産、死亡などの際に医療費や手当金が支給され、生活を支える大切な制度です。
1. 協会けんぽの対象者
協会けんぽは、中小企業や個人事業所の従業員とその扶養家族が主な対象です。
一方、大企業や特定の業種では、独自の「健康保険組合」に加入していることもあります。
例:
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従業員数20人の製造会社に勤務するAさん → 協会けんぽに加入
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従業員数1,000人の大手電機メーカーに勤務するBさん → 自社の健康保険組合に加入
2. 協会けんぽで受けられる主な保障
協会けんぽでは、病気やケガの治療費だけでなく、休業中の生活を支えるための給付もあります。
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医療費の自己負担軽減
病院や薬局での医療費は、原則3割負担(小学生未満や70歳以上は異なる場合あり)。 -
高額療養費制度
医療費が高額になった場合、一定額を超えた分が払い戻される制度。 -
傷病手当金
病気やケガで働けなくなったときに支給される生活補助。 -
出産手当金・出産育児一時金
出産時の生活保障や出産費用の補助。 -
埋葬料(葬祭費)
被保険者や扶養家族が亡くなった際の給付。
3. 保険料の仕組み
協会けんぽの保険料は、給与に応じて計算され、会社と従業員で折半して負担します。
保険料率は都道府県ごとに異なり、毎年見直されます。
4. 協会けんぽと健康保険組合の違い
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運営主体
協会けんぽ:全国健康保険協会(公的組織)
健康保険組合:企業や業界団体が自主的に設立・運営 -
対象者
協会けんぽ:主に中小企業の従業員
健康保険組合:主に大企業や特定業種の従業員 -
保険料や給付内容
健康保険組合は、付加給付など協会けんぽより手厚いケースも多い。
5. 加入・脱退のタイミング
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加入:就職して会社に雇われた日から自動的に加入(会社が手続き)
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脱退:退職日の翌日(国民健康保険や新しい勤務先の保険に切り替え)
まとめ
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)は、中小企業で働く人とその家族を医療や生活面で守る制度です。医療費の軽減、高額療養費制度、傷病手当金など、多くの保障があり、安心して働くための大きな支えとなります。
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