公的医療保険とは

公的医療保険とは?制度のしくみと自己負担との関係をわかりやすく解説

「病院での診察代が思ったより安かった!」
そんな経験、ありませんか? それは日本の公的医療保険制度がしっかりと機能しているおかげです。

本記事では、「そもそも公的医療保険って何?」という疑問から、加入対象、補償内容、注意点まで、初めての方にもわかりやすく解説します。

✅ 公的医療保険とは?

**公的医療保険(こうてきいりょうほけん)**とは、日本の社会保障制度の一環として、すべての国民が必ず加入することが義務付けられている医療保険制度です。

特徴は以下の通りです:

  • 国が運営する制度であり、民間保険とは異なる

  • 誰もが何らかの保険制度に属する「国民皆保険(こくみんかいほけん)」が基本方針

  • 病気やけがの治療費の一部を公費でまかなう

🔍 つまりどういうこと?

たとえば病院で1万円の治療費がかかった場合、公的医療保険によって7割が保険でカバーされ、自己負担は3割(3,000円)ですむというのが一般的な仕組みです。

🧑‍⚕️ 年齢や職業で異なる「保険の種類」

日本の公的医療保険は、加入者の属性(年齢や職業)によって、以下の3つに大きく分かれます。

1. 健康保険(けんこうほけん)

会社員や公務員が加入する医療保険。給与から保険料が天引きされ、雇用主と本人が保険料を折半します。

2. 国民健康保険(こくみんけんこうほけん)

自営業者、フリーランス、無職の人などが対象。市区町村が運営し、住民税などの額に応じて保険料が決まります。

3. 後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど)

**75歳以上の高齢者(または65歳以上で一定の障害がある方)**が対象。

現役世代とは別の制度として、独立して運営されています。

🏥 保障される医療と対象外の医療

公的医療保険で保障されるのは、基本的な治療・検査・入院など、医療として必要とされる行為です。

保障される主な医療費

  • 診察料

  • 検査費用(血液検査、レントゲンなど)

  • 手術費用

  • 入院費用(ただし基本部分のみ)

自己負担となる費用(※原則保険適用外)

  • 差額ベッド代(希望して個室に入院する場合など)

  • 美容目的の整形やホワイトニング

  • 先進医療(例:陽子線治療、重粒子線治療など)
     → これらは全額自己負担となるため注意が必要です。

💡事例:先進医療の実際の費用

たとえば、がん治療の一部である陽子線治療は、1回の治療に300万円近くかかることもあります。
こうした費用は公的保険の対象外ですが、民間の医療保険で先進医療特約に加入していればカバー可能なケースもあります。

💰 自己負担割合はどれくらい?

年齢や所得に応じて、自己負担の割合が異なります。

対象者 自己負担割合
0〜5歳 2割(一部自治体で無料)
6〜69歳 原則3割
70〜74歳 原則2割(一定所得者は3割)
75歳以上 原則1割(一定所得者は3割)

👀 よくある誤解と注意点

「保険証があれば、どんな医療も無料になる?」

いいえ。 自己負担はありますし、保険が適用されない治療もあります。

「海外での病気はカバーされる?」

→ 原則として日本国内での治療に限定されます。ただし、緊急時など一部例外あり。

まとめ|公的医療保険は安心の基盤。でも、万能ではない

公的医療保険は、日本人全員が平等に医療を受けられるよう設計された制度であり、生活の安心を支える大黒柱です。

一方で、全額を保障してくれるわけではなく、自己負担が発生する場面もあるため、制度を正しく理解し、必要に応じて民間保険と併用する工夫も大切です。

さらに参照してください:

公的医療保険制度とは?仕組みとカバーされる医療費をわかりやすく解説