保険に加入していると、毎年の「配当金のお知らせ」が届くことがあります。
その配当金の元となるのが、今回のテーマ「剰余金(じょうよきん)」です。
「剰余金ってどこから出てくるの?」
「もらえる配当ってどうやって決まるの?」
この記事では、保険契約者にとって大切なお金の仕組み「剰余金」について、わかりやすく解説していきます。
✅ 剰余金とは?【まずは簡単に説明】
剰余金とは、保険会社の1年間の経営成績(決算)において、予定よりも好調だったことによって生まれた余剰利益のことです。
剰余金が生じる主な理由は3つ(=3つの“差益”)
差益の種類 | 内容 |
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利差益(りさえき) | 実際の運用益が予定利率を上回ったときに発生 |
死差益(しさえき) | 実際の死亡率が予定死亡率よりも低かった場合 |
費差益(ひさえき) | 実際の経費が予定より少なく済んだ場合 |
これらの差益によって得られた利益が「剰余金」となり、その一部が契約者に配当金として還元される仕組みです。
🔍 なぜ剰余金が発生するの?
保険料は、次の3つの「予定率」をもとに計算されています。
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予定死亡率:将来の死亡リスクの予想値
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予定利率:資産運用によって得られると見込まれる利回り
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予定事業費率:保険会社がかかると見込む経費の割合
しかし、実際の運用結果は予定通りにいくとは限りません。
例:ある年の実績
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死亡者数が予想より少なかった(=死差益)
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資産運用が予定より好調だった(=利差益)
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経費が予想より安く済んだ(=費差益)
➡ こうした結果、余ったお金が「剰余金」として計上されるのです。
💰 剰余金と配当金の関係
剰余金がすべて契約者に戻るわけではありませんが、その一部が「配当金」として契約者に分配されることがあります。
配当金の種類:
配当のタイプ | 特徴 |
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契約者配当金 | 剰余金の一部を契約者に分配。受取方法は「現金」「保険料充当」など |
無配当型保険 | 配当金の支払いなし。保険料は割安な傾向 |
補足:必ず配当金が出るとは限らない!
経済状況や運用成績が悪かった場合、剰余金が出ず配当がゼロの年もあります。
また、保険の種類によっては最初から配当のない「無配当型」もあります。
📝 実際のシチュエーション:配当金ってどれくらいもらえるの?
例:30代男性が終身保険に加入して5年目
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年間保険料:12万円
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今期の配当金:1,500円(利差益中心)
➡ 金額はそれほど大きくないが、長期契約では積み重なるので意外と無視できないメリットです。
✅ まとめ|剰余金とは、保険会社が生んだ“余剰利益”のこと
項目 | 内容 |
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剰余金とは | 保険会社の実績が予定を上回って余ったお金のこと |
発生の理由 | 利差益・死差益・費差益 |
契約者との関係 | 剰余金の一部が「配当金」として分配される |
注意点 | 年や保険によっては配当が出ない場合もある |
さらに参照してください: