区分所有とは

区分所有とは?マンション購入前に知っておきたい基本知識をわかりやすく解説

「分譲マンションを購入すると、“区分所有者”になるってどういうこと?」
「共用部分と専有部分って、何が違うの?」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は不動産や住宅ローン、火災保険などの分野でも重要なキーワードとなる「区分所有(くぶんしょゆう)」について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。

✅ 区分所有とは?意味と読み方をやさしく解説

区分所有(くぶんしょゆう)とは、1つの建物(例:分譲マンション)が複数の独立したスペース(専有部分)に分かれており、それぞれを個人が所有することを意味します。

たとえば、10階建てのマンションに100戸の部屋がある場合、各部屋を買った人は、それぞれの住戸を**「専有部分」として区分所有**しているということになります。

🏢 専有部分と共用部分の違いとは?

区分所有において大切なのは、建物の構造が「専有部分」と「共用部分」に明確に分かれている点です。

区分 内容 所有者
専有部分 各居住者が単独で使用・所有する部分(例:部屋の内側) 各戸の購入者個人
共用部分 廊下、階段、エレベーター、外壁など複数人が使う部分 所有者全員の共有

つまり、自分の部屋は自分のものですが、マンションの廊下やエントランスは、全員で共有しているということですね。

💡 区分所有者になると、どんな権利と義務があるの?

区分所有者の主な権利

  • 自分の専有部分を自由に使える(居住・賃貸・売却など)

  • 共用部分の管理について意見を出せる(管理組合の議決権)

区分所有者の主な義務

  • 共用部分の維持・修繕にかかる費用(管理費や修繕積立金)の支払い

  • 管理規約を守ること(騒音・ゴミ出し・ペット飼育など)

「持ち家」でありながら、「共同生活者」でもあるのが区分所有の特徴です。

🧾 こんなときにも「区分所有」が関係する

火災保険の契約

マンションで火災保険に加入する際は、自分の専有部分だけに保険をかけるケースが多く、共用部分については管理組合が一括で加入していることがあります。

売買・相続

自分が区分所有している部屋は不動産として売却したり、相続したりすることができます。

ただし、共用部分の権利も一体で扱われます。

マンション建て替え・大規模修繕

共用部分の変更には、原則として管理組合の議決が必要。

区分所有者はその意思決定に参加する権利があります。

🏠 具体例でイメージしよう!区分所有のあるあるシーン

事例①:隣人のリフォーム

お隣の住人が自室の壁を壊してリフォームしようとしている。
→これは「専有部分」なので基本的にはOK。ただし、構造体(柱や梁)など共用部分を傷つける場合はNGです。

事例②:エレベーターが壊れた

マンションのエレベーターが故障。修理費用は?
→共用部分の修繕なので、管理費や修繕積立金から支出。すべての区分所有者が負担します。

📚 「区分所有法」という法律もある

区分所有に関するルールは、「建物の区分所有等に関する法律(通称:区分所有法)」で定められています。

この法律では、

  • 専有部分・共用部分の定義

  • 管理組合の運営ルール

  • 建て替えに関する手続き など

がしっかりと規定されており、区分所有者の権利と義務を守るための基盤となっています。

✅ まとめ:区分所有とは「個人の持ち家」と「共同管理」の両立

区分所有とは、自分の住まいを所有しつつ、建物全体の一部を皆で共有・管理する仕組みです。

覚えておきたいポイント
マンションなどで専有部分を個人が所有すること
共用部分は住人全員で共有・管理される
所有者には管理費や修繕積立金の支払い義務がある
火災保険や相続にも関わる重要な概念

マンション購入を考えている方や、将来の資産形成を考えるうえでも、ぜひ知っておきたい基本用語です。

さらに参照してください:

区分所有建物とは?分譲マンションやオフィスビルでよく聞くその意味をわかりやすく解説