企業や個人事業主として活動していると、「印刷製本費」という言葉を耳にすることがあります。
請求書やパンフレット、会社案内、会議資料など、ビジネスに欠かせない印刷物を外注した際に発生するこの費用。
しかし、「どの勘定科目で処理すればいいの?」「コピー代も印刷製本費になるの?」と迷う方も多いのではないでしょうか?
この記事では、印刷製本費の基本的な意味から、勘定科目の選び方、仕訳方法、注意点まで、わかりやすく解説します。
🔹印刷製本費とは?
印刷製本費とは、会社の営業活動に必要な印刷や製本を外部業者に依頼した際に支払う経費のことです。
たとえば、以下のようなケースが該当します。
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パンフレットやチラシを印刷会社に依頼した場合
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会社案内や製品カタログを製本した場合
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取引先への挨拶状やビジネス文書を外注印刷した場合
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会議資料や報告書を大量印刷・製本した場合
これらは、社内で印刷や製本を行うことが難しい、または効率が悪い場合に発生する費用であり、通常は「印刷製本費」として処理します。
🔹印刷製本費の勘定科目
会計上、印刷製本費は**販売管理費(販管費)**に区分されるのが一般的です。
ただし、内容や金額によっては、他の勘定科目で処理することも可能です。
処理内容 | 使用できる勘定科目 | 具体例 |
---|---|---|
一般的なパンフレット・資料の印刷 | 印刷製本費 | 商品カタログ、会社案内など |
名刺や封筒、社内掲示用ポスターなど | 事務用品費 | 社員用印刷物など |
チラシなど販促目的の印刷 | 広告宣伝費 | 販促チラシ、キャンペーン冊子など |
少量コピー、簡易印刷 | 消耗品費 | 会議資料のコピーなど |
➡️ ポイント:会社の会計方針や業務内容によっては、勘定科目の使い分けが異なります。
統一したルールを設けておくと、決算時の処理がスムーズです。
🔹印刷製本費の仕訳例
では、実際に印刷製本費が発生した場合の仕訳を見てみましょう。
例:会社案内パンフレットを外注印刷した場合(請求額 55,000円、うち消費税 5,000円)
もし名刺や封筒など、事務用品に該当する印刷物なら「事務用品費」で処理しても問題ありません。
🔹印刷製本費に含まれる主な費用
印刷製本費には、単なる印刷費用だけでなく、以下のような関連費用も含まれます。
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コピー代(外部のコンビニや印刷所で支払ったもの)
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デザイン料(印刷会社に依頼した場合)
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製本加工費(ホッチキス綴じや中綴じなど)
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挨拶状・年賀状などの外注印刷費用
💡社内でプリンターを使って印刷した場合の用紙代・インク代は、「消耗品費」として処理するのが一般的です。
🔹経費計上の注意点
印刷製本費を経費にする際は、以下のポイントに注意しましょう。
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領収書や請求書の内容を明確に記録する
印刷内容・数量・目的などがわかるようにしておくと、税務調査の際も安心です。 -
広告宣伝費との区別を明確に
印刷物が販促目的かどうかで勘定科目が変わります。
迷ったら「目的」で判断するのが基本です。 -
社内印刷と外注印刷を分けて処理
プリンター使用分(社内印刷)は「消耗品費」、外注分は「印刷製本費」で分けておきましょう。
🔹まとめ:印刷製本費は「目的」と「発注方法」で判断!
印刷製本費は、企業の営業活動を支える重要な経費のひとつです。
外部業者に印刷や製本を依頼した際は、**「何のための印刷か」「どのように依頼したか」**を基準に、適切な勘定科目で処理しましょう。
正確な経理処理を行うことで、経費の見える化が進み、節税や経営改善にもつながります。
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