取消(とりけし)とは、契約の過程に問題があった場合に、その契約を遡(さかのぼ)って無効にすることを指します。
特定の人が「この契約は成立しなかったことにする」という意思表示を行うことで成立します。
保険契約では、契約時の詐欺や重大な事実の不告知などが発覚した場合に、保険会社が「取消」を申し出ることがあります。
保険における取消の具体例
例えば、ある人が生命保険に加入する際、意図的に健康状態を偽って申告したとします。
後になってその事実が判明した場合、保険会社は契約の締結時点にさかのぼって「その契約はなかった」と扱うことができます。
これが「取消」です。
ポイント
取消になると、契約は初めから存在しなかったものとして扱われ、保険金の支払い義務もなくなります。
取消と無効の違い
保険用語では、「取消」とよく混同される言葉に無効がありますが、意味は異なります。
項目 | 取消 | 無効 |
---|---|---|
効力がなくなるタイミング | 後から意思表示して、契約を過去にさかのぼって無効にする | 最初から契約の効力がない |
原因例 | 詐欺、脅迫、未成年契約など | 告知義務違反、契約目的が違法など |
手続き | 当事者が意思表示を行う必要あり | 原則として自動的に効力なし |
無効となる代表的なケース
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健康状態や傷病歴について虚偽の申告(告知義務違反)
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加入時や復活時に詐欺行為
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保険金を不正に取得する目的の契約
契約者が注意すべきこと
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告知義務を正しく果たす
健康状態や過去の傷病歴は正確に申告しましょう。虚偽の申告は取消や無効の対象になります。 -
契約書や約款を確認
「取消事由」が具体的にどう定められているかは商品によって異なるため、加入前に必ず確認しておくことが大切です。
まとめ
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取消は、後から意思表示をして契約をさかのぼって無効にすること
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無効は、最初から契約が成立しなかった扱いになること
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保険契約では、健康状態や契約時の行為に問題があると、取消や無効となり、保険金を受け取れなくなる可能性があります。
契約時には正しい情報を提供し、後のトラブルを防ぐことが重要です。
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