国民年金基金とは

国民年金基金とは?自営業者の老後資金をサポートする“公的年金の上乗せ制度”を解説

「自営業って、将来の年金が少ないって本当?」
「老後の生活費、不安なんだけど…」

そんな不安を感じている方に知っておいていただきたいのが、**国民年金基金(こくみんねんきんききん)**です。

この記事では、国民年金基金の仕組みやメリット、加入方法、税制優遇まで、わかりやすく解説します。

✅ 国民年金基金とは?

国民年金基金とは、**自営業・フリーランスなど国民年金の「第1号被保険者」**が加入できる、公的な年金の上乗せ制度です。

老後に受け取る**「老齢基礎年金」だけでは生活が不安という人のために、年金を“自分で増やせる”しくみ**として、1991年に国が創設しました。

🔍 ポイント:加入は任意。強制ではありません。

🧍‍♂️ 誰が加入できるの?

加入できるのは、以下のような第1号被保険者です:

対象者の例 備考
自営業者 飲食店・建築業・個人事業主など
フリーランス イラストレーター、ライター、エンジニアなど
農業・漁業従事者 国民年金のみ加入している方
学生・無職 一部条件により可。ただし安定した掛金支払いが必要

❗会社員(第2号被保険者)やその配偶者(第3号被保険者)は加入できません。

💡 国民年金基金で「もらえる年金」はどうなる?

通常の国民年金では、**老齢基礎年金(月約66,000円・2024年度)**が支給されますが、これだけでは老後の生活費としては不十分なことも。

そこで、国民年金基金に加入すれば、上乗せ年金として終身または一定期間の年金を受け取ることができます。

▶ 給付のイメージ例

加入内容 支給される年金
国民年金のみ 老齢基礎年金(月約66,000円)
+国民年金基金加入 老齢基礎年金+国民年金基金年金(月額上乗せ)

※年金額は、選んだ加入タイプと掛金により異なります。

🧾 掛金はどれくらい?税制メリットもあり

国民年金基金の掛金は、自分で選んだ年金タイプと口数によって決まります。年齢や性別、加入時期などでも金額は異なりますが、目安としては以下のような範囲です:

年齢 掛金(月額の例)
30歳 約6,000円〜20,000円
40歳 約8,000円〜25,000円

✅【重要】掛金は全額が社会保険料控除の対象になるため、確定申告や年末調整で所得税・住民税の節税効果があります。

🔢 加入プランは自由に選べる!7種類の年金タイプ

国民年金基金では、7つの年金タイプから自分のライフスタイルに合わせて選べます。

タイプ 内容の概要
A型(終身・保証期間あり) 一生涯受け取れる+最低保証あり
B型(終身・保証なし) 一生涯受け取れるが、保証なし
I〜IV型(確定年金) 一定期間だけ受け取る(5年・10年など)
V型(遺族年金あり) 死亡時、遺族に年金が支払われる

📝 加入の手続きはどうする?

▶ 申し込みの流れ

  1. 地域の国民年金基金連合会またはネット窓口から資料請求

  2. 必要書類に記入して申し込み

  3. 毎月の掛金を口座振替またはクレジットカードで納付開始

🔍 事前に年金受取額のシミュレーションも可能です。

🛑 注意点:途中で脱退はできない

国民年金基金は、原則として途中解約ができません。
万が一支払いが困難になった場合は「納付停止」などの制度を利用することになりますが、払込済みの掛金が返金されることは基本的にありません。

✅ まとめ|国民年金基金は自営業者の“老後の自助努力”を支える制度

会社員に比べて老後の公的年金が少なくなりがちな自営業やフリーランス。
そんな方の“年金格差”を埋める手段として、国民年金基金は非常に有効な選択肢です。

  • 老後資金に不安がある

  • 節税しながら年金を増やしたい

  • 終身型の年金で一生の安心を得たい

という方は、ぜひ一度、加入を検討してみてください。

さらに参照してください:

国民年金基金連合会とは?役割・機能・確定拠出年金との関係をやさしく解説