地方公務員共済組合(ちほうこうむいんきょうさいくみあい) とは、地方公務員の病気やケガ、災害、退職後の生活などに関して、適切な給付を行うために設立された相互扶助の組織です。
その根拠は**地方公務員等共済組合法(第1条)**にあり、公務員本人や家族の生活を守る重要な社会保障制度の一つです。
制度の目的
地方公務員共済組合は、簡単にいえば「地方公務員専用の保険・年金制度」です。
民間会社の健康保険組合や厚生年金制度と似ていますが、対象者が地方公務員である点が特徴です。
主な目的は以下の通りです。
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病気やケガに対する医療給付
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災害や死亡に対する保障
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退職後の年金支給
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加入者と家族の生活安定
加入できる人
地方公務員共済組合に加入できるのは、以下の人たちです。
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地方自治体で働く職員(正職員)
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一部の非常勤職員(勤務条件による)
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加入者の扶養家族
例えば、市役所や県庁の職員、地方独立行政法人に勤務する職員などが対象になります。
主な給付内容
地方公務員共済組合が提供する給付は、大きく分けて医療給付・年金給付・その他の給付の3種類です。
1. 医療給付(健康保険機能)
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病院での診察・治療費の自己負担を軽減(原則3割負担)
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高額療養費制度による自己負担額の限度設定
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出産手当金、傷病手当金など
2. 年金給付
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退職後に老齢共済年金を支給
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障害共済年金、遺族共済年金の制度もあり
3. その他の給付
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住宅貸付制度
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弔慰金や災害見舞金
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福利厚生事業(宿泊施設やレジャー施設の割引など)
民間の保険制度との違い
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対象が地方公務員であること
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共済組合法に基づく公的制度であり、強制加入が基本
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医療と年金の両方をカバーする包括的な仕組み
具体例で理解する
例1:病気の場合
市役所勤務の職員が入院した場合、健康保険と同様に医療費は3割負担。高額な医療費がかかった場合でも、高額療養費制度により自己負担額は一定額まで。
例2:退職後の生活
30年以上勤務した職員が退職した場合、共済年金として毎月の生活費が支給される。
まとめ
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地方公務員共済組合は、地方公務員とその家族を守る医療・年金制度
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医療費軽減、年金支給、福利厚生など幅広い給付がある
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民間の保険制度とは異なり、公的制度として強制的に加入する仕組み
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生活全般をサポートする、地方公務員にとって重要な制度
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